高崎の手描き友禅作家が「タペストリー展」-ユーホールで

掛け軸の代わりにも使えるタペストリー「滝の息吹」

掛け軸の代わりにも使えるタペストリー「滝の息吹」

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 高崎市でただ一人の手描き友禅作家「手描友禅二代目祥徳」さん(工房名=祥徳堂、高崎市八幡町、TEL 027-310-8822)は8月14日、ユーホール(高崎市高松町 NTT東日本群馬支店内、TEL 027-324-1120)で「タペストリー展」を開催する。

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 二代目祥徳さんは1944年高崎市に生まれ、1964年から父・初代祥徳さんの下で修行を重ねて独立。振袖や留袖などの「誂え染め(あつらえぞめ)」を手がけてきた。

 「誂え染め」とは注文染めのことで以前は需要が多かったが、着物をレンタルする業者が増えたり、着物離れが進んだりしたために着物を誂える人が減り、「誂え染め」の需要も減ってしまった。

 そうした中、2004年ごろから祥徳さんが新たに手がけ始めたのが手描き友禅のタペストリーだ。

 このタペストリーに魅せられ、「シルクの良さや手描き友禅の優美さを広く一般の人に知ってもらいたい」とタペストリー展の企画を始めたのが市川和子さんだ。市川さんは「ザ・アートギャラリー ロマンアート」(同市元町、TEL 027-310-8822)を経営する傍ら、「NPO法人住まい・まちづくり推進ネットワーク協議会」の理事長として活躍している。

 「群馬は上等なシルクの産地だが、若い人はもちろん着物に興味のない人たちには『正絹』という言葉も通じないのはとても残念なこと。一人でも多くの人に日常にシルクを取り入れてもらえたらと思った。友禅といえば京都や加賀が有名だが、祥徳さんのように全13工程を一人でこなす作家は珍しい。繊細な伝統文様だけでなく大胆で斬新な図柄が魅力」(市川さん)という。

 祥徳さんは同市内にいくつかの工房を持っており、工程によって場所を変えて作業している。「糊と一緒に余分な染料を洗い流す『水元』と呼ばれる作業は水のきれいなところでないとできない。私は榛名山系の清らかな水が流れる烏川上流で反物を洗っている」(祥徳さん)。

 祥徳さんのタペストリーは和風洋風を問わず壁に掛けて楽しめるほか、掛け軸の代わりにも使える。同展では大小さまざまなタペストリー約40点を展示する。

 開館時間は10時~18時。入場無料。今月19日まで。

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