須恵器を焼く陶芸家、佐藤けいさん作陶展-干しいもが元で商品化した「陶板」も

右が「干しいも」を焼く目的で自分のために焼いた陶板を商品化した「耳付き陶板」。左は焼きものの「すのこ」が付いている「蒸し物もできる土鍋」

右が「干しいも」を焼く目的で自分のために焼いた陶板を商品化した「耳付き陶板」。左は焼きものの「すのこ」が付いている「蒸し物もできる土鍋」

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 阿久津画廊(前橋市南町3、TEL 027-223-2259)は12月8日から、須恵器を焼く高崎の陶芸家、佐藤けいさんの「作陶展」を開催している。

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 佐藤さんは、中世に突然作られなくなった須恵器の魅力を多くの人に伝えたいと、1987年から須恵器を焼き続けている。佐藤さんは「須恵器は私のライフワーク。作り方は古代の方式で仕上がりはモダンにが信条」という。佐藤さんは群馬県立高崎高校を卒業後北海道大学に進学した。数学者を目指して数学を学んでいた学生時代、陶芸に出会ってしまい「こんなにおもしろいものがあったのか」(佐藤さん)と、数学を捨て陶芸の道を選んだ。

 須恵器は、釉薬をかけず薪で焼く。高温の窯の中でガラス状になった灰が土肌に付着し、火を止める前に「燻す」と灰と鉄分を含んだ粘土が化学反応を起こし灰黒色に変化する。佐藤さんが、窯の中で起きる対流を計算して、流れるような模様を作り出した大皿などは「作り方は古代の方式、仕上がりはモダン」の代表的な作品だ。

 今回の「作陶展」では、須恵器の壷、皿、花器などのほかに、大小さまざまな土鍋、耳付き陶板など約150点を展示即売している。

 耳付き陶板は、佐藤さんがストーブの上で「干しいも」を焼く目的で土鍋用の粘土で焼いた「陶板」を商品化したもので、「鉄板より火がやわらかいので、干しいもはもちろん、もち、肉などがおいしく焼ける」(同)のが特徴。「目玉焼きやベーコン、ソーセージなどを焼いて、そのまま朝食の食卓に載せても絵になる。今回一番の人気商品」(阿久津画廊関係者)だという。12月10日に発売された「体にやさしい土鍋ごはん」(昭文社発行)には、佐藤さんの土鍋や陶板が多数使われており、陶板を使うレシピが掲載されている。

 価格は3,150円~84万円。土鍋は10,500円~36,750円、耳付き陶板は8,400円~10,500円。開催時間は10時~18時。今月16日まで。

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