プレスリリース

人間中心の車両開発へ S&VL技術研究所が2年間の技術相談動向を公開

リリース発行企業:S&VL株式会社

情報提供:

プログレス・テクノロジーズ グループ株式会社のグループ会社で、自動車関連の最先端バーチャルテストサービスを提供するS&VL株式会社(本社:群馬県太田市、代表取締役:村松英行、以下 当社)が運営する「S&VL技術研究所」は、2026年7月に開設2周年を迎えました。



この2年間で、自動車業界では電動化やADAS(※)の高度化、デジタルツイン活用の進展を背景に、開発プロセスの変革が加速しています。開発現場では、試作車を用いた検証中心の開発から、開発初期段階におけるバーチャル検証の活用へとシフトが進んでいます。
こうした変化の中、当社にも、自動車メーカーをはじめ部品メーカー、タイヤメーカー、研究機関などから多くの技術相談が寄せられてきました。ドライビングシミュレータに求められる役割も、試乗評価や性能確認からADAS開発、人間工学評価、デジタルツイン活用といった研究開発を支える基盤へと大きく広がっています。
本レポートでは、S&VL技術研究所の開設から2年間の活動を振り返るとともに、技術相談の傾向から見えてきた次世代車両開発ニーズの変化についてご紹介します。
※ADAS(エーダス):「Advanced Driver-Assistance Systems」の略称。先進運転支援システムのこと。
技術相談の変化 ~試乗評価から研究開発活用へ~
開設当初に多かったのは、車両運動性能や試乗評価に関する相談です。「ドライビングシミュレータはどこまで実車に近い評価ができるのか」「開発のどの段階で活用できるのか」といった、活用可能性の確認が中心でした。
一方で現在は、ADAS開発、人間工学評価、デジタルツイン、EV開発、さらには車内空間や操作環境の設計検証に関する相談が増加しています。特に、自動運転や運転支援機能の進化に伴い、「車両が正しく動くか」だけでなく、「ドライバーがどう感じるか」「違和感なく受け入れられるか」を評価したいというニーズが高まっています。
また、従来は試作車完成後に実施していた評価を、開発初期段階からバーチャル環境上で行いたいという相談も多く寄せられるようになっています。車両性能だけでなく、認知特性や操作感覚まで含めて検証することで、より早い段階で課題発見と改善につなげることが可能になります。
ドライビングシミュレータは、試乗評価のための設備から、車両開発と人間理解を支える研究開発基盤へと進化しています。
人間を理解しなければADASは開発できない時代へ
この2年間で特にニーズが高まったのが、人間工学やドライバー評価に関する相談です。現在、技術相談全体の約40%を人間工学関連テーマが占めています。
ADASや自動運転支援機能は、正しく作動するだけでは十分ではありません。レーンチェンジ支援が自然に感じられるか、警報提示が適切なタイミングか、ドライバーに不安や違和感を与えていないかといった観点が重要です。
制御性能の高さだけでなく、「ドライバーが自然に受け入れられるか」が製品価値を左右する要素として重要性を増しています。
そのため、自動車開発は車両性能中心の開発から、人間中心の開発へと広がりを見せています。
S&VL株式会社とマツダ株式会社が新世代自動車の開発におけるデジタル技術および人間工学の活用について協力合意(2025年12月)


高度なバーチャルテストサービス、デジタル開発技術および人間工学的評価手法に関する共同研究・技術協力を通じ、革新的で安全かつ快適な次世代自動車の実現に向け、人間工学的評価手法やデジタル開発技術に関する共同研究・技術協力を進めています。本取り組みは、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」でも紹介されました。



自動車業界を超えて広がる活用領域と多様化
この2年間で、ドライビングシミュレータの活用領域も大きく広がりました。
開設当初は自動車メーカーからの問い合わせが中心でしたが、現在では部品メーカー、タイヤメーカー、電気・電子デバイスメーカーなど、さまざまな業界から相談が寄せられています。
自動車メーカーからはADASや人間工学評価、車両全体の性能最適化に関する相談が多い一方、部品メーカーからは、部品変更が運転感覚や車両挙動へ与える影響の検証など、より具体的な開発課題に関する相談が増えています。
また、タイヤ開発ではドライバー評価や評価シナリオ開発、技術者教育などへの活用も進んでいます。
実機では再現が難しい条件や危険を伴う作業環境をバーチャル空間上で再現することで、人と機械の関係性を含めた検証が可能になります。
ドライビングシミュレータは現在、自動車開発のための設備にとどまらず、人とモビリティ、人と機械の相互作用を理解し、製品開発へ反映するための研究開発プラットフォームへと進化しています。
ドライビングシミュレータによるウェットタイヤモデル試乗会をS&VLが開催(2026年6月)


S&VL技術研究所にて「ウェットタイヤモデルを活用したドライビングシミュレータ試乗会」を開催。
試乗会には自動車メーカー、タイヤメーカーおよび研究機関から約20名が参加され、タイヤ・車両評価に関する議論が活発に行われるなど、技術的にも充実した試乗会となりました。



次の2年へ
この2年間で顕著だったのは、ドライビングシミュレータ活用の検討段階が、「導入可否」から「活用領域の最適化」へ移行したことです。
電動化やADASの進化、デジタルツイン活用の拡大により、車両開発は大きな転換期を迎えています。今後は車両性能だけでなく、人の感じ方や使いやすさまで含めて開発初期から検証することがますます重要になります。
S&VLはこれからも、バーチャル技術と人間理解を融合し、お客様の開発課題の解決と、より良いモビリティの実現に貢献してまいります。

S&VLについて https://progresstech.jp/service/svl/ 

S&VLは、主に自動車メーカーやサプライヤー向けに実験・シミュレーション技術を基盤としたサービスを提供する企業です。社名はSimulation & Virtual testing Laboratoryの頭文字をとって命名しました。
最先端のドライビングシミュレータを活用して、バーチャルテスト環境の提供から、プラントモデルの開発、評価、開発プロセス改革の提案まで、ワンストップのソリューションを提供しています。豊富な現場経験に基づく実験技術を強みとし、バーチャル技術との組み合わせによって、開発効率の向上、製品品質の向上、開発期間の短縮といった製造業の課題を解決し、製造業における製品開発の高度化と変革を支援しています。

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