高崎の人々の暮らしをとらえたブルーノ・タウトの写真集が話題に

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 在日期間中最も長時間を高崎市で過ごしたドイツ人建築家、ブルーノ・タウト(1880~1938年)の写真集「タウトが撮ったニッポン」が話題を集めている。

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 ブルーノ・タウトは、1933年(昭和8年)夏、ナチスから逃れるために来日した。日本滞在は短期の予定だったが、出国するまでに3年半滞在した。当初、大丸百貨店の下村正太郎社長(当時)の庇護を受け京都で暮らし、その後、井上房一郎氏の世話により、少林山達磨寺(同市鼻高町)の洗心亭で約2年間暮らした。洗心亭滞在中、タウトは「建築家の休日」を自称し、著作にいそしんだ。

 タウトが多くの写真を残していたことがわかったのは最近のこと。写真の多くは「ヴェス単」と呼ばれたコンパクトカメラ「ヴェスト・ポケット・コダック」で撮られたもの。写真集を出版した武蔵野美術大学出版局の担当者は「ライカばりの秀逸なショットもあるが、ほとんどはなぜかピンぼけ。しかし、遺品のアルバム4冊に残された写真1422点(タウト以外の人が撮った写真含)、当時の日本の暮らしぶりをよく映し出している」と話している。

 「タウトが撮ったニッポン」には、洗心亭に滞在していた期間に撮られた写真が多数含まれており、編集を手がけた酒井道夫さん、沢良子さんは、「伊勢、桂を中心に語られてきたタウトではなく、今までに知られていない『もうひとりのタウト』にスポットを当てた」と話している。

 写真集はA5変版160ページで、価格は1,890円。武蔵野美術大学出版局発行。

武蔵野美術大学出版局

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