
川の流れや手作り感、再生に向けた熱を表現した新デザインのフライヤー
利根川源流のまち、水上温泉街で2022年に産声を上げた「廃墟再生マルシェ」は、見捨てられかけていた建物の魅力を掘り起こしながら、少しずつ温泉街に灯をともしてきました。
1回目は温泉街の中に眠っていた「旧ひがき寮」に約1,300人。2回目は利根川に面する「旧一葉亭エネルギーセンター」に約3,000人。3回目はまちなか4会場を巡る形で約4,500人。そして昨年、「廃墟再生」から「ミライ」へと名を変え、10会場・50店舗以上が集う規模へと育ちました。
この温泉街の物語に起承転結があるとするなら、いまはきっと「転」のとき。昭和から平成にかけて隆盛を極めたものの、時代の流れとともに、一度はその賑わいを失いかけました。けれど今、一軒、また一軒と新しい店の灯りがともり、新しい人の流れが生まれ続けています。2022年に始まった「廃墟再生マルシェ」──現在の「みなかみみらいマルシェ」も、その小さな歩みのひとつです。
温泉街の中心に横たわる「旧一葉亭」は、いよいよ減築・再生工事へと進みます。今年は、工事が始まる前の最後のマルシェ。「廃墟」としての旧一葉亭に立ち会える、最後の2日間になります。
積み重ねてきた5年目、今年もマルシェは続きます。
壊さずに残してきた建物と建物のあいだの余白に、利根川の水が流れるように、人の流れもまためぐっていく。廃墟の冷たさの奥にも、まだ消えない温泉街の熱があります。今年は11の小さなマルシェ群・約70店舗で、その熱をたどっていただきます。人が歩き、出会い、つながる。その一歩一歩が、温泉街をミライへ向けて動かしていきます。
ススメ、水上温泉街。2026年9月19日(土)・20日(日)「みなかみみらいマルシェ2026」が、幕を開けます。

水上駅から道の駅水紀行館まで11会場をそぞろ歩いて
再生進む水上温泉街に11の小さなマルシェ群 ─ 温泉街の「余白」で遊ぶ
今年のコンセプトは「余白」です。使われていない空き地、店先の軒下、建物と建物のあいだの路地──温泉街には、機能が定まらないまま残されてきた場所が数多くあります。それらを「まだ何も決まっていない場所」として捉え直し、遊び、使いこなしてみること。それが、温泉街のこれからを考えるうえでの手がかりになると考えました。会場の設えやデザインのトーンも、この「余白」を出発点としています。
会場は、JR水上駅から道の駅水紀行館までのおよそ1.5kmのエリア内に11か所。水上駅付近のかつての書店を再生したブックカフェ「Walk On Water」、減築・再生工事が進む「旧一葉亭」の正面玄関、閉館した温泉旅館「一葉亭」の元従業員寮で文化的活動拠点への再生が進む「旧ひがき寮」、道の駅水紀行館付近のかつてのアパートを再生した複合施設「MIDORI SOW」など、これから再生していく廃墟から、味わいを残しながら生まれ変わった建物まで、多様な表情を持つ空間が会場となります。
それぞれの会場には固有の廃墟再生のストーリーがあり、その空間に合ったコンセプトでマルシェ会場を演出します。

谷川岳が美しく見える温泉街、水上温泉の絶景スポット

かつて1日1000枚のリネンを洗っていたランドリー工場も会場の一つに

旧一葉亭正面玄関会場での昨年のマルシェの様子

今年はMIDORISOW会場を中心にドッグフレンドリーな企画も!
過去最大、70店舗以上が出店
今年のみなかみみらいマルシェでは、みなかみ町へ移住された方やUターンされた方、直近あるいはこれからオープンされる店舗など、参加者が参加者を呼ぶ形で年々広がりが生まれており、今年は過去最大となる約70店舗の出店を予定しています。水上温泉街再生の拠点「旧一葉亭」の内部を特別に見学できる「廃墟ツアー」が開催されるほか、初めての取り組みとして、「MIDORI SOW」付近では犬と川遊びできる特設水上ドッグランも設けられる予定です。
「Walk On Water」会場で利根川源流のまちならではの美しい水を飲み比べできる「水場 -WATER BAR-」は今年の新しい目玉企画。その水で仕込まれたクラフトビールやコーヒー、コーラも味わえる他、お団子やカレーのお米も、みなかみの美味しい水を使って仕込まれたものばかり。
また廃墟再生の文脈に共感する出店者たちにより、廃材や自然素材を活用したアップサイクルなものづくりやクラフト体験も多数企画されています。

過去最大70店舗!ローカルな魅力やアップサイクルをテーマにした出店も多数
「みなかみみらいマルシェ2026」開催概要

水上温泉街再生のシンボル「旧一葉亭」で開催される2つの企画
温泉街の中心に位置する「旧一葉亭」は、廃業した大規模旅館です。高度成長期からバブル期にかけて「関東の奥座敷」として隆盛した水上温泉は、個人旅行へとニーズが移行して以降、大型施設の宿泊客が大幅に減少し、ホテル・旅館の廃墟化が問題となっていました。
このような背景のもと、株式会社オープンハウスグループ、みなかみ町、群馬銀行、東京大学大学院工学系研究科は、2021年9月に締結した「産官学金包括連携協定」に基づき、「旧一葉亭」の再生を中心として温泉街を再び活性化させるプロジェクトを4者連携で進めています。最大の特徴は、従来の「スクラップ&ビルド」ではなく、「減築&再生」という新しいアプローチです。既存建物を取り壊さずに活かすことで、廃棄物および建設時のCO2排出量の削減が可能となります。
今年のマルシェでは、その「旧一葉亭」の正面玄関が会場のひとつとなります。再生に向けた工事着工を控えており、今年は工事が始まる前の最後のマルシェ、すなわち「廃墟」としての旧一葉亭を訪れることができる最後の機会となります。
まちが大きく変わっていく転換期にあたり、この節目にあわせて2つの企画を予定しています。ひとつは、廃墟としては最後になるであろう「廃墟ツアー」。もうひとつは、建物にもともと使われていたタイルや壁、床のカケラを集めるワークショップです。
集めた断片は、再生後の建物へ引き継ぐための素材として保管し、活用の方法を検討していきます。失われるものと、受け継いでいくもの。その両方を来場者のみなさまと一緒に見つめ、次の時間へ渡していく準備を進める2日間です。

再生工事が本格化する旧一葉亭、廃墟の姿を見られるのは今回が最後に

昨年開かれた「旧一葉亭廃墟ツアー」の様子、多くの歓声があがっていた

廃墟建物がライトアップされる旧一葉亭会場の印象的な風景

進行中の廃墟再生プロジェクトの最新状況&建築家による詳細解説も
廃墟をステージに ─ さらにパワーアップする音楽ライブ
昨年に引き続き、今年も「廃墟」をステージにした音楽ライブを実施いたします。今年は5バンドが出演予定と、内容もさらにパワーアップする予定です。
長く使われてこなかった空間が、音の響く舞台へと変わる。まちを歩き、店をめぐり、その先でライブに出会う。日が落ちるにつれて表情を変える温泉街を、音楽とともに楽しんでいただけます。
<演奏予定バンド>
MMT
テリー斎藤
吹奏楽団なちゅらりずむ
Ning-29
かさはらつとむ

廃墟が音の響き渡るライブステージに。今年は演奏者数も増。
「駅から駅まで」ゆったり楽しむスローモビリティ
昨年、社会実験として初めて実施した「スローモビリティ」を今年も運行いたします。JR水上駅から道の駅水紀行館までの約1.5kmは若干の高低差もある道のりですが、外の風景をゆったりとした速度で楽しみながら、移動そのものを楽しんでいただくことを目的としています。電気バスやシェアバイクなど環境に優しい移動手段で、水上温泉街の風景や廃墟再生のスポットを巡る体験を提供いたします。
当日混み合うことが予想される温泉街中心部は、水上温泉街初の『一方通行化実験』を行い、もっとスローな温泉街散策が可能に。そしておむつ替えスペースの確保やペットとともに楽しめる会場なども新たに用意しており、温泉街に足りなかったものを街全体で補い合いながら、いろんな方にお楽しみいただける体制を整えています。
今年もこのマルシェは、温泉街のひとつ先の未来をみんなで考えるまちづくりの社会実験と連動して、開催されます。

昨年好評を博したスローモビリティ(電気バス)が今年も特別運行

風や水音を感じながら、利根川河畔の温泉街をめぐる
デジタルマップの本格導入により、さらに環境にやさしいマルシェへ
会場数・出店者数・来場客数とも年々増加している状況を踏まえ、今年からデジタルと観光の融合に取り組むスタートアップ・Tripia株式会社との協働により、デジタルマップを本格導入いたします。スマートフォンやタブレットを片手に巡れば、食べたいもの見たいものを、いまどこで食べられるか見られるかが、簡単に検索できます。
年々増加していた紙版のマップも大幅に印刷を削減でき、豊かな自然を持つみなかみ町によりふさわしいマルシェへバージョンアップします。Tripia株式会社の協力によるゲーム要素を加えた周遊企画「みなかみguesser」も現在作成中。
当日はいろんな視点で、よりスマートに、温泉街散策をお楽しみいただけます。
「廃墟再生マルシェ」から「みなかみみらいマルシェ」へ、地域全体でつくる新しいマルシェ


温泉街のまちかどに小さなマルシェがたくさん。再生の息吹を感じて歩けます

川沿いの旧蒼海ホテル・湯原橋会場はおいしいフードが集合