店頭に「Bicycle Factory(バイシクルファクトリー)」の看板を掲げるスナック「カール」(前橋市城東1、TEL 080-1090-9776)にOLなど女性客が集まっている。
前橋中央郵便局南側にある同店は、店舗面積8坪、カウンターを含む13席のこぢんまりとした店で、壁には「カール」、窓ガラスには「Bicycle Factory」の文字が張られている。
「Bicycle Factory」側の窓枠には自転車のフレームや工具がつり下げられているため、「すみません、空気入れを貸してもらえますか」と高校生にドアをノックされることも。
店主の小鮒司郎さんは小学6年の時、スポーツタイプの自転車を駆る男性を見たのをきっかけに自転車に興味を持ち、中学1年の時からスポーツタイプの自転車でいろいろな場所に出かけるようになる。
社会人になると休日の度にツーリングに出かけたが、「どうしても自転車で日本一周したくなり会社を辞め、1年半かけて全国を回った」という。その後また会社に勤め、18年のサラリーマン生活を経て2008年12月、同所にスナックをオープンした。
自転車やマウンテンバイクのカスタムメードも手がける小鮒さん。店のドア、テーブル、いす、窓、看板など内外装のほとんどが手作りだ。「手作りだから家庭的な雰囲気を醸し出しているのか、来店客の8割が30~40歳代の女性で、男性客からは『この店は女性が多いからいい』などと高く評価されている」と笑う。
10種類以上そろえる焼酎はボトルで1,500円~8,000円、「おすすめは熊本の『佐藤 黒』。希望があれば何でも用意する」。フードメニューは特になく、アルコールの進み具合を見ながら用意する。
前橋市は自転車利用環境整備モデル都市に指定されており、歩道に歩道内共存型走行スペースを設けるなど自転車利用推進のためインフラ整備も進めている。
小鮒さんは毎日、高崎市日高町の自宅と店を自転車で往復する。「これからの目標は、店舗併用型の住宅を手に入れ、自転車好きが集まって自転車談義ができるようなスペースを作ること」と力を込める。
営業時間は18時~24時。日曜定休。