網で焼いた豚肉を使う豚丼専門店「ぶーたぶーた」（前橋市西片貝4、TEL 027-243-4832）の豚丼が好評で、1日100食以上の注文があることがわかった。

注文を受けると始まる豪快な網焼き

　「ぶーたぶーた」は、1977（昭和52）年に創業した「とんかつ とん平」（現、野中町）の店主、平岩光雄さんが2006年にオープンした新業態店。「とんかつ とん平」は、長男の大輔さんが引き継いだ。

　光雄さんは8年前、すしを食べに行った小倉で「網焼きの焼き鳥」に出会った。「炭に落ちる脂の煙でスモークされた鶏が香ばしくおいしかった。これは豚でもいけるのでは」と早速メニュー開発に取りかかった。

　群馬県は豚肉の生産量が多く、鮮度の高い良質な肉が豊富だ。その中から光雄さんが選んだのは「赤身と脂身が交錯する肩ロース。バラと違い脂身がばらついているのがいい。肉のうま味は脂身」と力を込める。

　網焼きにすると適度に脂が落ちて煙が立ち上る肩ロースと、肉はすぐに決まったが、たれの開発には4年を要した。

　「商売抜きだ」と笑う光雄さん。さまざまなしょうゆを試し、木おけで仕込んだ本醸造しょうゆにたどり着いた。「原価が高くなるので他の職人は使わないだろうが、納得のいく味にしたかった。化学調味料は使わない。シンプルな料理だけに米も納得いくまでテストした」という。

　しょうゆ味のたれは塩気や甘みのどれか一つが目立つことはなく、混然一体となって香ばしい肉を包む。

　職人かたぎの光雄さんが料理人修行した時代は、大将や先輩から怒鳴られるのは日常茶飯事で、昨今の大相撲の相撲部屋同様に、どの業界も昔は厳しかった。光雄さんの職人魂は今の時代、誤解を招くこともあるようで「ブログやなんかにいろいろ書かれてるでしょ」と頭をかく。

　メニューは、豚丼の並盛り（680円、大盛り730円、特盛り830円）、わかめスープ（70円）、エビスビール（小びん380円）、ペットボトルのお茶（150円）のみ。

　営業時間は11時30分～14時、17時～21時。火曜定休。