須恵器を焼く佐藤けいさん、ドーナツ型の大土鍋焼く-世界初か

窯出しの翌日、自宅ギャラリーで「龍輪大土鍋」を抱く佐藤けいさん。「龍輪大土鍋」は龍の足4本を取っ手にし、2人で運ぶ。斜め上を向いた龍の鼻の穴から出る湯気はかなりの勢いになると思われる

窯出しの翌日、自宅ギャラリーで「龍輪大土鍋」を抱く佐藤けいさん。「龍輪大土鍋」は龍の足4本を取っ手にし、2人で運ぶ。斜め上を向いた龍の鼻の穴から出る湯気はかなりの勢いになると思われる

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 須恵器の第一人者、佐藤けいさん(高崎市倉渕町、TEL 027-378-4108)が1月11日、一度に50人前の鍋料理が可能なドーナツ型土鍋「龍輪大土鍋」の窯出しを行った。

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 「龍輪大土鍋」は従来の土鍋の常識を打ち破る形状が特徴。土鍋をドーナツ型にしたいきさつについて佐藤さんは「私の家には円形のいろりがある。このいろりに合わせて大きな土鍋を焼いたところ、100人前は入ろうかという大鍋(通称『亀鍋』、容量=30リットル)になってしまった。もう少し少ない人数で鍋を楽しみたいが、小さい鍋では鍋を突くたびに腰を浮かせなければならない。いろりの周りのどの位置からも鍋にはしを伸ばしやすく、かつ容量を減らすためにはドーナツ型しかないと思った」という。ドーナツ型の土鍋は「現物はもちろん資料的にも見たことがないので、世界初」(同)と推察される。

 「龍輪大土鍋」は、ふたに描いた龍の文様につなげて立体化した頭と尻尾が取っ手になり、龍の鼻の穴から湯気が出る。サイズは直径63センチメートル、高さ29センチメートル、容量15リットル。佐藤さんは、いろりを持たない人のために「龍輪大土鍋」がぴったり収まる「炭火コンロ」の製作を予定しており、「コンロが焼き上がった暁には、いろりのない家でも使えるようになる」と話している。

 「龍輪大土鍋」は1月31日から、東京・上野のせん百堂画廊(TEL 03-3831-3516)のオープンを記念して開催される「佐藤けい土鍋展」に展示する。同展では「龍輪大土鍋」のほか鍋料理用・炊飯用など普通の家庭で使えるサイズの土鍋・陶板約50点を展示する。須恵器の大壷や大皿約30点を展示する「佐藤けい大壷・大皿展」「浅見めぐみ動物陶芸展」も同時開催の予定。営業時間は10時~17時。入場無料。2月5日まで。

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