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高崎で「天日干し」のコシヒカリ-山間の棚田に「はんで」の珍百景

「はんで」が立ち並ぶ倉渕町の秋

「はんで」が立ち並ぶ倉渕町の秋

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 高崎・倉渕町で稲の刈り取りとともに、「はんで」と呼ばれる稲掛けに稲が掛けられ、群馬県内ではなかなか目にすることのない珍しい光景が見られる時期を迎えた。

1束ずつ「はんで」に掛ける作業は大変

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 倉渕町の稲作は棚田のような水田で行われている。自家用の米だけを栽培する農家の作付面積は20アール前後だが、米の販売を手がける「下平農園」(TEL 027-378-3236)は約140アールの田んぼで「コシヒカリ」や数種類のもち米を栽培している。

 同農園主の下平俊郎さんは「見た通りの棚田で機械化が進まなかった結果、手がかかって大変だが、現在も天日で干して仕上げられるのはいいこと。品種はコシヒカリだが『はんで』に掛けて干すので、『はんでえ米』と名付けた。群馬のブランド米」と胸を張る。

 機械の場合も天日干しも水分量は15%前後まで乾燥させるが、「機械が一晩で乾かすのに対し、20日かけて天日で乾燥させることにより米本来のうま味と粘りが引き出され、味に差が出る。最も驚かれるのは、収穫の翌年の年明けから新米が出回る前までで、モチモチした食感が失われない」(下平さん)という。

 高崎市倉渕支所の担当者によると、高齢化の影響で植え付けと刈り取りを委託する農家が増え、「はんで」を使って天日乾燥する農家は全体の7割程度にまで減少。希少価値性はさらに高まっているという。

 下平さんは倉渕町と親交のある浦安市で10月17日に開催される「浦安市民まつり」で、10月初旬に「はんで」に掛けた新米とおにぎりを販売する予定で、これが今年の新米のデビューとなる。

 下平農園では米の直販を行っており、希望があれば精米仕立ての米を全国に発送する。価格は、玄米=1キロ450円、白米=同500円。発送は5キロから対応する。

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