金属工芸作家が鍛金作品そろえた個展-古い楽器を使った花器など展示

「鍛金」(たんきん)とは、金属を叩いて造形する技法。この作品「咲く」は、古くなったトランペットを使った花器

「鍛金」(たんきん)とは、金属を叩いて造形する技法。この作品「咲く」は、古くなったトランペットを使った花器

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 阿久津画廊(前橋市南3、TEL 027-223-2259)で2月16日より、金属工芸作家、豊嶋康男さんの個展「豊嶋康男展-鍛金と現代美術」が開催される。

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 豊嶋さん(伊勢崎市生まれ)は、東京芸術大学大学院在学中から「日本現代工芸展」「現代日本美術展」に入選するなど注目を集めた。群馬に戻ったのは1988年で、その2年後、佐波郡玉村町にアトリエを開いた。現在は、創造学園大学(高崎市八千代2)創造芸術学部の準教授として未来の芸術家を育てながら、自身の制作活動に力を注いでいる。

 豊嶋さんの作品には「使い古された金管楽器」や「木製の農具」など捨て去られる運命にあったものが生かされているのが特徴で、1970年代に古いバイクの部品を使った時から続けている。

 「古いものを使うというと昨今流行の『リサイクル』と思われがちだが、リサイクル精神から古いものを使っているのではない。楽器にしても農具にしても長年使われてきた道具は、人間の英知によって磨かれ、洗練された造形美を呈している。こうした美を自分の表現の中に取り入れることで、捨て去られる運命にあった造形美が生き返る」と豊嶋さん。

 トランペットなどの古い金管楽器を「捨てようと思っているものですが使いますか」と持って来る人、子ども用のマウンテンバイクを持ち込み「娘の結婚祝いにしたいので何か作って」という人など、豊嶋さんの回りには独特の造形に魅せられた人がたくさんいる。「楽器でもマウンテンバイクでもすぐに作品に取りかかるわけではなくアトリエに置き、日常的に目にするうちにインスピレーションが湧いたら取りかかる」(同)のだという。

 豊嶋さんは金属なら何でも扱うが、「これをこうして」と作品や手法を限定しなければ、思い出の品の金属部分を使ったオブジェの制作も受けてくれる。

 今回出展する作品はオブジェ、古い楽器を使用した花器、時計、錫のぐい呑みなど約35点で、価格は1万円前後~30万円前後。開催時間は10時~18時30分(最終日は17時まで)。月曜定休。今月24日まで。

重さ500キログラム以内ジャンル問わず-群馬青年ビエンナーレ (高崎経済新聞)真夏のスノーボード関連展-ボードを使った彫刻など展示 (高崎経済新聞)阿久津画廊

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