2007年夏、前橋ビル(前橋市本町2)を舞台に撮影された映画「クライマーズ・ハイ」(原田眞人監督、主演=堤真一さん)が1月8日、映画専門誌「キネマ旬報」の第82回ベストテンの8位に入った。1位は「おくりびと」(滝田洋二郎監督)だった。
「クライマーズ・ハイ」は1985年8月の日航機墜落事故に遭遇した地元紙の記者たちの1週間を描いた作品で、原作は当時、上毛新聞社(古市1)の記者として御巣鷹山で現地取材に当たった経験を持つ作家、横山秀夫さんの同名の小説。
原田監督はロケ地にこだわり、本当の地元=前橋を選んだ。「北関東新聞社」の看板を掲げた前橋ビル、前橋ビル前の歩道橋、前橋ホテル、レストランポンチなど、地元の人にとっては内容もさることながら、大型スクリーンに映し出される見慣れた風景に感慨を覚える作品だった。
5月27日、封切り前のプロモーションも前橋から始まった。前橋ホテルで記者会見に臨んだ原田監督と堤さんは「戻ってきた」という言葉で、暑く、長い夏を過ごした前橋への思いを表現した。
堤さんは賞を逃したが、現地に入った記者、佐山達哉役を演じた堺雅人さんが助演男優賞を受賞した。