来年につなげるタスキ、ゴールまで-上武大学、箱根駅伝初出場で

1区、15キロメートル手前までいい位置をキープしていた坂口竜成選手(写真、小田原箱根経済新聞提供)

1区、15キロメートル手前までいい位置をキープしていた坂口竜成選手(写真、小田原箱根経済新聞提供)

  • 0

  •  

 1月2日、3日に開催された「第85回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」に初出場した「上武大学」(伊勢崎市戸谷塚町)が完走し、母校のタスキをゴールに運んだ。

青山学院大学と3秒差でタスキを受けた福山真魚選手

[広告]

 上武大学は1年生=1人、2年=3人、3年=4人、4年生=2人の2年、3年生を中心にしたチーム編成で箱根に臨んだ。ただ一人の1年生、坂口竜成選手はスローペース展開となった1区を走った。

 スタートから続いた団子状態に動きが出たのは15キロメートル地点。給水がきっかけになり団子が崩れた。団子の中では好位置をキープしていた坂口選手は16キロメートル過ぎ、後方に置き去られる格好となったが、17位で2区=石田康雄選手(3年)にタスキをつないだ。

 3区=福島弘将選手(3年)、4区=後藤祐一選手(4年)から、5区=福山真魚選手(3年)にタスキが渡った時には20位に落ちていた。

 福山選手は昨年、学連選抜で5区を走り、区間3位(1時間20分47秒)の記録を残したが、昨年10月18日に開催された予選会後、ほかの選手と別メニューで調整していた。

 青山学院大学と3秒差でタスキを受けた福山選手は、直後に青山学院大学をかわしたが、その前の選手までは届かなかった。それでも記録は1時間22分28秒、区間10位だった。

 往路の順位は20位。トップの東洋大学とのタイム差は9分51秒。繰り上げスタートを免れた。

 復路は6区=朝日宏宣選手(3年)、7区=伊藤彰選手(2年)、8区=原茂明選手(2年)、9区=梅田大輔選手(2年)から、アンカーの大塚良軌主将にタスキがつながった。

 大塚主将は選手のメンタル面にも気を配りながら、チームを引っ張ってきた。昨年11月、「責任重大な区間だが、ぜひ10区を走りたい」(大塚主将)と話していた通り、アンカーの重責を肩に大手町まで母校のタスキを運んだ。

 総合順位は21位。花田勝彦監督就任のきっかけをつくった上武大学駅伝部OBの小野大介さんは「初めての大きな大会でリラックスしきれなかった。スタッフ全員が箱根駅伝の厳しさを痛感した」と振り返る。

 2年、3年生を中心にした布陣で臨んだ本大会。監督車から「来年にタスキをつなげるために頑張れ」と選手に声をかけた花田監督。10区まで繰り上げなしにタスキをつなぐという目標を達成し、「何とか最下位にならなくてよかった。来年も同じ場所に戻って来よう」(花田監督)とコメントした。

 「出場」というひとつの夢を叶えた上武大学。小野さんは「もっともっといい走りを追求しなければならない。OBを含めバックアップ体制を見直し、明日から練習」と力を込めた。

後援会申請バナー
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース