映画「クライマーズ・ハイ」の原田眞人監督と主演の堤真一さんが5月27日、撮影現場となった「前橋」で記者会見を行った。会見会場となった「前橋ホテル」(前橋市本町2)は「北関東新聞社」として使われた通称「前橋ビル」の目の前。
原田眞人監督は「撮影が終わって初めて前橋に戻ってきたので懐かしいが、『前橋ビル』はまだテナントがいないんだなとか、それもまた懐かしいが、ちょっと涙が出た」「『金融腐食列島』は(銀行内のシーンを)7カ所で撮ったが、今回は一つのビルで撮影したいと考えていた。そのため専任のロケーションマネージャーに周辺も含めて個性のあるビルディングを探させた。『監督ここでだめだったら、ほかにありません』と言われて見に来たのが『前橋ビル』だった」と振り返った。
ロケは、原田監督に一目で気に入られた「前橋ビル」だけでなく「前橋ホテル」や「弁天通り」などで行われた。「歩いてみると面白い商店街がいっぱいある。レストラン『ポンチ』は通りを歩いてたまたま見つけた。すごく気に入ってしまい、ごはんもおいしかったし、これはぜひ使おうと思った。(前橋はじめロケ地の)協力体制が良かった」(原田監督)とも。
一方の堤真一さんは「久しぶりに前橋に来て懐かしいが、(撮影が)大変だったので苦しかった思いがよみがえってくる」と振り返る。谷川岳の衝立岩(ついたていわ)に見立てた三ツ峠(河口湖)でのロッククライミングシーンの撮影については、「登り切れた時に足が震えた。経験がないのにたった4日で登った。4日ですよ。だから初心者でも登るコースと思っていたが、登ってから本当は上級者が何年もかけて挑戦するような場所だと知った」と撮影中のエピソードを披露した。
「新聞」については、「人間が動き回るスペクタクルが好き。新聞社は興味のある箱。『250分の1秒』を撮ったのが1985年で、日航機墜落事故が同じ年とあって運命的なものを感じた。記者はあこがれだった」(原田監督)、「新聞記者役を演じ、新聞は毎日届いて読み捨てられていく。毎日何気なく読んでいた新聞だが、1カ月もかけて作っているわけでなく、瞬間瞬間動いていることを感じるようになった」(堤さん)。
映画「クライマーズ・ハイ」の公開は7月5日。前橋・高崎市での上映館は「ユナイテッドシネマ前橋」「109シネマズ高崎」「イオンシネマ高崎」。
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