高崎市美術館(高崎市八島町)は4月5日より、「群馬音楽センター」や「高崎哲学堂(旧井上房一郎邸)」などの建築を手がけた高崎市ゆかりの建築家、アントニン・レーモンドと妻、ノエミ・レーモンドの回顧展「建築と暮らしの手作りモダン」を開催する。
アントニン・レーモンド(1888~1976)は、師事した建築家ブルーノ・タウト(1880~1938)と井上房一郎氏の親交が縁で井上氏と出会い、「高崎」に足跡を残すことになる。
アントニンは日米で500以上の建築を手がけたが、1961年に完成した「群馬音楽センター」は代表的作品のひとつに数えられ、日本の近代建築に影響を与えたと言われている。
アントニンとノエミ(1889_1980)は1914年、第一次世界大戦の戦火を逃れる最後の船で出会い、建築家とデザイナーとして、生涯の伴侶として共に活動した。
同展は、米国のペンシルバニア大学付属建築博物館、カリフォルニア大学サンタバーバラ校付属美術館で開催され、日本で巡回展示されているもの。アントニンとノエミが重視した「自然さ」「日本文化の中にある自然を受け入れる力」など、同美術館担当者は「レーモンドとノエミの仕事の広がりの大きさと、建築史的な意味を的確に理解できるのでは」と話している。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。入場料は、一般=500円、大高生=300円、中小生=200円。月曜、5月7日休館。5月25日まで。アントニンが手がけた「高崎哲学堂」「群馬音楽センター」(イベント開催時を除く)も公開する。「群馬音楽センター」の公開は4月15日から。
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