「世界遺産」暫定リストに追加掲載が決まった富岡製糸場(富岡市富岡、TEL 0274-64-0005)は2月10日から12日まで、ライトアップ「光の回廊づくり」を開催した。
富岡製糸場は、工業の近代化を図る目的で1872年に明治政府により建てられた。当時、富岡が立地場所に選定された主な理由は、繭・水・石炭の確保が容易なことからだという。生糸の生産は、1987年に操業を停止するまでの115年間続いた。繰糸場(そうしじょう)、繭倉庫、事務棟、ブリューナ館などは、建設当時のまま保存されており、明治政府が建てた官営工場の中で、ほぼ完全な形で残っているのは同工場だけ。
現在、日本には、法隆寺、屋久島をはじめとする13件の世界遺産がある。同工場は、世界遺産に推薦される前段階、国内の候補リストへの登録が済んでおり、ユネスコへの推薦に向け、アピールを続けている。富岡市役所の伊藤さんは「光の回廊づくりに約2,000人、全体では約9,700人の参加があった。これからも、世界遺産本登録に向けてアピールしていきたい」と話している。
同17日には群馬音楽センター(高崎市高松町)で「世界遺産シンポジウム」が、18日には同工場で、それぞれ群馬交響楽団のミニコンサートが開催されるほか多彩なイベントを企画している。