着物スタイリストの石田節子さんが「カイコ飼う」-高崎に工房建設へ

「鍬」を手に「桑」を植える能楽師、長谷川晴彦さん。畑を含む建設予定地は陶芸家、佐藤けいさんの工房の向かい

「鍬」を手に「桑」を植える能楽師、長谷川晴彦さん。畑を含む建設予定地は陶芸家、佐藤けいさんの工房の向かい

  • 0

  •  

 「AQUOS」の吉永小百合さん、「写るんです」樹木希林さんなどのコーディネートで知られる着物スタイリスト、石田節子さん(東京・銀座「らくや」)が手がける養蚕・織り・染めの工房建設予定地の畑に4月26日、桑の苗木が植えられた。

桑植えにはフリースクールの生徒たちも

[広告]

 仕事柄、日常的に着物に接する石田さん。着物の原料である生糸のほとんどを外国からの輸入で賄っている現在の日本の現状を知り、石田さんは「このままでは国産の生糸はなくなってしまうのでは。日本の生糸は消費量の1%程度の生産量しかない現実を知ってもらいたい。着物に携わる者としての使命ではないかと思った」という。

 昨年6月、石田さんは群馬県で開催された「絹の郷シンポジウム」に参加したのを契機に、群馬県庁、群馬県蚕糸技術センターなどでカイコの生態や繭(まゆ)を出荷するまでの過程などを学んだ。

 そして、「知ってもらう」ためには「体験してもらうのが一番」と、カイコの飼育や機織りなどを体験できる工房の建設に向け動き出す。

 工房建設に選んだのは高崎市倉渕町で、4,000坪の敷地の一部に「蚕室棟」(約30坪)と「織り染色棟」(約33坪)を建てる。カイコのエサとなる桑も同地で賄う予定で、600坪の畑を作り、620本の桑の苗木を植えた。

 当初、桑は27日か28日に植える予定だったが、雨の予報が出たため26日に繰り上げた。そのため石田さんは立ち会うことができなかったが、代わりに夫で能楽師の長谷川晴彦さんが鍬(くわ)を握った。

 桑の苗は約1メートル。今回植えた桑が育つと、建設予定の蚕室で飼うカイコのエサを賄えるという。

 工房が完成するのは9月ごろになる見込みで、工事を請け負う二番企画(高崎市吉井町)の金田さんは「自然がいっぱいの場所なので、自然との調和を第一に考え昔からそこにあったような建物にできたら」と話している。

 石田さんは4月29日、日本絹の里(同市金古町、TEL 027-360-6300)で13時30分から開催されるトークショーと婚礼衣裳の着付け実演に出演する。

  • はてなブックマークに追加
後援会申請バナー
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース