前橋・れんが作りの酒蔵跡で「酒」がテーマの作品展-石の杯で利き酒も

1965年まで酒蔵として使われた山賀煉瓦倉庫中蔵

1965年まで酒蔵として使われた山賀煉瓦倉庫中蔵

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 前橋の酒蔵跡「山賀煉瓦倉庫中蔵(やまがれんがそうこなかぐら)」で10月31日から、11人の作家による「酒」がテーマの作品展「秋、酒蔵にて」が開催されている。

漆で仕上げた石杯、大理石も

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 山賀煉瓦倉庫中蔵は1929(昭和4)年に建てられ、1965(昭和40)年まで酒蔵として使われた。現在、その両翼はレストランが使用しているが、最も広い中央の蔵は物が置かれるだけになっており、建築家などの間で保存や利用方法について話題に上っていた。

 そこで、籠橋宗範さん(陶)、鈴木浩さん(鉄)、主代淳典さん(ジャンクアート)、小美濃厚夫さん(木)、鎌田純男さん(同)、平井敦さん(同)、吉澤良一さん(木)、明田一久さん(石)、外丸治さん(同)、高橋芳さん(絵)、矢部澄翔さん(書)が、「酒蔵だから酒をテーマにした作品展を開いては」と所有者に持ちかけた。

 企画はとんとん拍子で進み、永井酒造(利根郡)、井川酒店(前橋市粕川町)の協力を得て開催にこぎ着けた。会場では、鉄のオブジェから石の落款、石に漆を塗って仕上げた杯などのコラボ作品、約300点を展示販売している。

 外丸さんは「漆を塗って仕上げた杯はライムストーンという吸水性に富んだ石を使った。石としては柔らかいので手触りがやさしい。今展がきっかけで初めて指物師の吉澤さんとコラボした。石に漆を塗るとどんなことになるのかと思ったが、なかなかいいものになった」と話す。

 酒蔵で杯と言えば酒は欠かせない。同展では来場者が気に入った杯で酒を振る舞う。開催時間は10時~19時。観覧無料。11月8日まで。

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