高崎市南銀座通りの呉服店「きもの彦太郎」(檜物町)の軒下に商店主や近所の住人が集う「寄り合い」が話題になっている。
南銀座通りは「歩きたくなるまち」をテーマに整備され、整備前からあった理容店、刃物店、宝石・生活雑貨店などにフラワーショップ、イタリア料理店、骨董(こっとう)店などが加わり古くて新しい独特の雰囲気を醸している。
南銀座通り周辺は「シンフォニア高崎城趾」「セレストタワー高崎」などのマンションが建ったてめ新しい住人が増えたが、顔を合わせる機会は十分とは言えない状態。「寄り合い」は宝石・生活雑貨店「TODOKORO」の外処さんが「地域づくりのためにはまずお互いの顔がわかることが大切。できることから始めよう」と呼びかけ、昨年4月から開かれるようになり、今回が20回目。
常連の「理容室すずき」の鈴木さんは「最初のうちは全員が通りを向いて腰掛け、知り合いを見つけると『寄っていかない』と声を掛けた。今日はたまたま人数が少ないが、いつもは20人前後集まるようになった」と話す。
8月21日、19時ごろから寄り合いが始まると、ビール、ワイン、ウイスキー、ギョーザ、巻きずし、さきいか、柿の種などを手に年代も職業もさまざまな人たちが集まってきた。
群馬交響楽団のバイオリニスト、高杉(こうさん)さん、竹内千尋さんらも常連の一人。鈴木さん、「きもの彦太郎」の菊池妙子さんと赤ワインを片手に日本での暮らしについての話しが弾む。
仕事を終え自宅に戻った平本さんがやって来た。平本さんは夫婦そろって高崎から都内の会社に通う「新幹線通勤」組。高崎駅周辺のマンション購入者の中には高崎で生まれ育った人ばかりでなく、他のエリアから移ってくる人も多い。
「堅く言えば『意見交換会』なんてことになるが、地域自治などと大上段に振りかぶらず、月に何度か顔を合わせ話しをすることにより、知った顔が増えたり、互いを良く知るきっかけになれば」と話す外処さん。
寄り合いは夜が更けるまで続いた。