PCR検査による群馬県内の1日あたりの感染確認数は4月11日、これまでに最大の35人になった。このうち33人は住宅型有料老人ホーム「藤和の苑(とうわのその)」(伊勢崎市連取町)の入居者とスタッフら。
群馬県の人口は約190万人で東京都のおよそ7分の1。1日35人は東京都に換算すると245人になる。
山本一太群馬県知事は4月11日21時に開いた緊急会見で「大変重く受け止めている」としながらも「(35人の)患者の方が発生した場所は3カ所のうち1カ所に集中している。伊勢崎の有料老人ホームの関係者がほとんど。県としては地域の保健所と協力しながら感染経路の特定と濃厚接触者の割り出しを急いでいる」と話していたが、13日、急激な拡大とした上で「キャバレー、ナイトクラブ、マージャン、パチンコ、ジム、映画館、展示場、図書館、大学、学習塾、三密に当てはまる小売店などへ行かない。家にいて。仕事も企業でテレワークなどの工夫を凝らして」と訴えた。一方で「休業の要請ではない」とした。
飲食店などは7日に国の緊急事態宣言が出た後、客足が減ったことから臨時休業した店があった。11日に35人の感染確認が発表されると客足が激減。13日から自主的に休業に入った店もあった。
11日の35人の中には「飲食店の女性経営者(伊勢崎市、50歳代)」、12日の8人の中には「その飲食店の従業員の女性(伊勢崎市、40歳代)」がいる。
五十嵐清隆伊勢崎市長は13日、対策本部会議で「この状況(藤和の苑、飲食店)を正確に市民に伝えなければならないが群馬県がなかなか情報を開示しない。積極的に必要な情報の開示を要求していく」と話した。
ツイッターでは「プライバシー保護の観点なのだろうが、ある程度の情報開示は必要」「不安から疑心暗鬼になり、(伊勢崎)市内全域の飲食業は壊滅状態になる」「検査をしてもらえないだけで、コロナの人は沢山いると思う」「自粛で 我が社は非常に危ない状況 肺炎ではなく 終わりを迎えそう 何のために今まで税金を払ってきたんだろ」など不安や怒り、悲嘆のツイートが見られた。