大学在学中に学費を捻出する目的でデイトレードを始め、卒業後もデイトレードで生計を立ててきた高崎市在住の佐藤宏行さんが11月15日、NOVAの元講師5人と英会話学校「E.L.I.高崎」(高崎市あら町、TEL 027-321-0712)を開校した。「E.L.I.」の開校は日本初。
ノヴァが大阪地方裁判所に会社更生手続の申し立てを行った10月26日以前から、NOVA高崎校で講師をしていたアンディ・アームスロトング(アイルランド)さん(現E.L.I.高崎校長)、マット・ラディット(英)さん、ブラッド・ベーカー(米)さん、ブルック・ミルバーン(英)さん、ジェニファー・アボット(英)さんの5人は、給料の未払いやノヴァが借り上げていた宿舎からの立ち退きを余儀なくされるなど、短期間でその生活が一変していた。
5人の中で一番若いブルックさん(22歳)は、「2カ月分の給料をもらえない上に、ノヴァが借り上げていた家に住んでいたので給料から家賃を引かれているにも関わらず、退去勧告を受けた。今はブラッドさんの家に居候させてもらっている。保険証も使えなくなってしまったため、自由診療で診察を受けざるを得ず、毎日食事ができない上にさらに苦しい状況に。食事を分けてくれる友人や知人に助けられたり、ご飯を炊いてしょう油をかけて食べたりしながら生き延びた」という。
こうしたNOVA元講師らと親しくしていた人たちの中には佐藤さんだけでなく、金銭的な援助を申し出た人がいたという。「『ありがとう』と言うが、受け取ってくれなかった。『教えてお金をもらうならいいが、お金だけもらうことはできない』」(佐藤さん)と。
アンディさん、マットさん、ブラッドさん、ブルックさん、ジェニファーさんは5人とも、「日本に残って英語を教えて生きていきたい」という思いが強かった。「自分がブルックと同じ22歳の時に外国で同じような苦境に立ったら、彼女のように耐えることができたかどうかわからない。アンディ以外は日本語学校に通っており、食費を削っても学費だけは何とか捻出し学校に通い続けた。決して無駄遣いをしたわけでなく、ただ一生懸命生きていて、なおかつ日本で一生暮らしたいという気持ちに打たれた」(佐藤さん)。
E.L.I.はダブリン(アイルランド)で50年の歴史を誇る、欧州で最も支持率の高い英会話学校で、アジアではドバイや中国に進出しているが日本校はなかった。アンディさんがE.L.I.のフルディレクター(教師を教えることのできる資格)を取得していたことから、トントン拍子で事が進み、ノヴァが会社更生手続きを申請した5日後には「E.L.I.高崎」の開校が決まったという。
「ノヴァの一件はBBCでも放送されており、アイルランドの校長も知っていた。アンディはもちろん5人ともレベルも志しも高い。人生はお金じゃない、全財産を投げ打ってもみんなで一緒に働ける学校ができる。『学校』はなくなってはいけない。絶対にやめない」と佐藤さん。自身も英語が堪能な佐藤さんは「イングリッシュアカデミー(高崎市中居町3)に続いて、生まれ育った高崎を英語力の強い人がたくさんいる地方都市にするために貢献したい」という。
現在「E.L.I.高崎」では先着50人まで授業料をNOVA生徒=6カ月無料、一般=12レッスン無料、学生=25%を割り引く開校キャンペーン、ワンコイン体験レッスンを実施している。コースは一般英会話コース(1~7レベル)、TOEICコース、IELTSコース、高校受験コース、センター試験コース、キッズコースなどがあり、早くも高崎駅前に新設が決まった2号校ではファイナンシャルインテリジェンスコース、中国語コースなどを設ける予定。予約、問い合わせの受付時間は13時~21時。
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