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映画「そして父になる」、ロケ地「前橋」出身の助監督が撮影秘話

左2人目からプロデューサーの田口聖さん、助監督の兼重淳さん、監督助手の北原栄治さん、両端は前橋のローズクイーン

左2人目からプロデューサーの田口聖さん、助監督の兼重淳さん、監督助手の北原栄治さん、両端は前橋のローズクイーン

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 第66回カンヌ国際映画祭で審査委員賞を受賞した映画「そして父になる」のメディア向け上映会が9月26日、ユナイテッドシネマ前橋(前橋市文京2「けやきウオーク前橋」内)で開かれ、上映後、助監督を務めた前橋出身の兼重淳さんらが登壇し撮影秘話を明かした。

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 是枝裕和監督が前橋を舞台に選んだのは電器店「TSUTAYA」(前橋市住吉1)の圧倒的な存在感だったという。TSUTAYAはリリーフランキーさんと真木よう子さんが演じる夫婦(斎木雄大、ゆかり)と子どもたちが暮らす家として登場する。

 リリーフランキーさんと子どもたちの入浴シーンもTSUTAYAの風呂場で撮影した。兼重さんは「撮影するにはちょっと狭かったので近くの家の風呂場も用意したが、是枝監督がこだわった」と振り返る。

 重要な役柄となる子役のオーディションについて「台本を渡して台詞を覚えて来てもらってというのが一般的だが、是枝組のオーディションは1回目は会話をしてみるだけ。撮影時も子どもには台本を用意せず、監督が口頭で伝える」とも。

 TSUTAYAの庭、利根川の河川敷のシーンは雑草が茂ったまま。撮影するとなればある程度きれいにするかそれらしく残す程度が一般的だろうが、風に揺れる伸び切った草が予期せぬ運命に翻弄される人々の準備の整わない心情と重なって見えた。

 兼重さんが「真木よう子さん(ゆかり)が働く弁当店『ベイコック東部バイパス店』(前橋市西片貝町)の裏側にあった石材店なんです」と明かすと会場から「え~すごい偶然」と驚きの声が上がった。

 群馬県内ではユナイテッドシネマ前橋、イオンシネマ高崎などで9月24日から先行上映中。

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