水中写真家・中村征夫さん、高崎市美術館でトークショー再演

「写真を撮り始めた頃の作品は白黒。カラーもいいが色を消した方が多くのものが見える」と話す中村さん。白黒作品を集めた展示ブースで

「写真を撮り始めた頃の作品は白黒。カラーもいいが色を消した方が多くのものが見える」と話す中村さん。白黒作品を集めた展示ブースで

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 高崎市美術館(高崎市八島町、TEL 027-324-6125)で開催中の「中村征夫写真展-海中2万7000時間の旅」の関連イベント「中村征夫スライドレクチャー&サイン会」が好評だったため、8月4日再演された。

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 「中村征夫スライドレクチャー&サイン会」は、7月16日に開催された。「前回、希望者が多かったため80人の定員を140人に増やした。それでも、参加できなかった人や、新たに希望が寄せられていたため、中村先生に相談したところ快諾を得、2回目を開催することになった」(同美術館担当者)という。

 中村さんは昨年、「中村征夫写真展-海中2万7000時間の旅」の展覧会と同名の写真集で「第26回土門挙賞」を受賞した。展覧会は、東京都美術館での開催を皮切りに、秋田市立千秋美術館、安曇野市豊科美術館、など現在までに全国5カ所で開催している。

 中村さんは「きれいなだけの写真展ではなく、汚染を含め自然破壊の現状を知ってもらいたい。海中はもうひとつの宇宙。環境問題について、できるだけわかりやすく伝えたい」という。「観覧者や参加者の反応から、一連の写真展とトークショーが心に残るものになっていると感じている」(中村さん)とも。

 同美術館担当者は「40年に渡り、体で自然を感じてきたことに裏付けられた説得力を感じる。前回のトークショーで、『汚染、破壊されていく自然に対し人間がなすべきことは』という問いに対する答えが『何もしないのが一番』だったことが印象的だった」と話している。

 展示作品の中には、2005年6月にババウ諸島(トンガ王国)で撮影されたザトウクジラの親子の原寸大(約13メートル)のパネルはじめ、白黒の作品もあった。中村さんは「カラーもいいが、色を消した方がかえって多くが見える」という。35ミリのネガから13メートル引き延ばしたというクジラのパネルはフィルムの粒子が目立つが、それがかえってシズル感を際立たせていた。

 入場料は、一般=500円、大高生=300円、中小生=200円(同市在住の中小生に限り毎週土曜入場無料)。8月29日まで。

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