群馬県立歴史博物館(高崎市綿貫町、TEL 027-346-5522)は6月9日の「ロックの日」にちなみ、同日より特別展「KEY AND LOCK」を開催する。
同展は、錠前師で錠前コレクターである山岸賢司さん(前橋市在住)の1,000点を超える鍵、錠前コレクションの中から108点を展示するもの。
展示品は、大阪府羽曳野市で出土した日本最古の鍵「海老錠」(7世紀中ごろ)のレプリカ、群馬県太田市で出土した日本最古の「クルル鉤」(7世紀中ごろ)、からくり鍵の代表とされる「阿波錠」、十二支をはじめとする動物の形を模した「動物型錠」、アフリカの「木製錠」など海外のものも。山岸さんがコレクションを始めたのは約35年前。「全国の骨董店主はじめ協力をいとわない人と人とのつながりの中で『鍵と錠』に出会えてきた。まだまだ見たことのない『鍵と錠』がたくさんある。これからも人と人とののつながりを大切にしていく過程で、『鍵と錠』にも出会えるだろう」と話す。
山岸さんが錠前の歴史に興味を持ったのは小学生のころ。以降、鍵と錠を研究してきたという山岸さんは「私は犯罪が大嫌い。鍵と錠を有効に利用することにより、犯罪を減らしたいと思った」とも。長期にわたり鍵と錠に触れ、研究を重ねてきた山岸さんが到達した結論は、「犯罪を減らす最大のファクターは『鍵と錠』ではなく家庭教育」。9日に予定されているギャラリートークでは、展示品の解説とともに、「家庭教育の大切さにもふれることになるだろう」と話している。
同展担当者は「古来から、個人のみならず社会が、保護したり拘束しようとしたものは、心身、技術、財貨、文書など多岐にわたる。鍵は保護、拘束の最も容易かつ身近な器具。鍵の歴史にふれる絶好のチャンス」と話している。
入場料は、おとな=200円、大高生=100円、中学生以下無料。時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。7月1日まで。ギャラリートークは6月9日、11時~と13時30分~に開催予定。