取材拒否の老舗が秘伝の「タネ」明かす-前橋「丸十ベーカリー」

「メロンパン焼けました」、正一さんの長女で三代目の妻、純子さん。夫の近藤孝さんが「丸十」の歴史を引き継ぐことに

「メロンパン焼けました」、正一さんの長女で三代目の妻、純子さん。夫の近藤孝さんが「丸十」の歴史を引き継ぐことに

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 無添加、手作りの焼きたてパンで知られる「丸十ベーカリー(丸十製パン)」(前橋市本2、TEL 027-231-6078)が8月25日、創業78年目にして初めて取材に応じた。

メロンパンを脅かすのは…

 パン生地を作るには小麦粉、水とともに発酵を促す成分が必要になる。

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 ドライイーストはその一つで、ドライイーストを生み出したのが全国の「丸十」の祖、田辺玄平翁。田辺玄平翁は1900年代初頭、ドライイーストによる製パン法を確立した。1913(大正2)年、下谷に建設した食パン工場は全国の「丸十」の拠点となる。

 前橋の丸十ベーカリーの店主、木曽正一さんは二代目。今も「丸十」の教え通りのパン作りを行う。「田辺玄平翁以前のパンは今のようにふっくらとしたものではなく堅い団子のようなものだったという。製法上特徴的なのは、『中ダネ』と呼ぶ前日仕込んだ生地を少量混ぜ込むこと」だという。

 木曽さんは毎日、深夜1時から仕込みに入る。パンだけで約40種類、焼き菓子が約10種類。開店時間は5時45分とニューヨークのベーカリー並とあって大変だ。「以前は仕込みを始めると同時に開店していたこともある。泊まり勤務の人などは夜中も早朝も関係ない。開店と同時にお客さまが来てくれるのは昔も今も同じ」とも。

 食事系のパンは、「マフィン」(100円)、「コロッケサンド」(140円)、「フィッシュサンド」(150円)、「サンドイッチ」(300円)など約10種類あり、「スライス食パン」(155円)などともに朝から店頭に並ぶ。

 同店で最も人気があるのは「メロンパン」(90円)で、グラニュー糖が散りばめられたサクサクした皮をまとったパンを割ると、しっとりふっくらとした中身が…。フレーバーなどは一切使っていないため、一口噛めば小麦そのものの香りが鼻腔を抜ける。

 メロンパンは1日80個限定で、毎日完売。早めに出かけたほうが良さそうだ。

 営業時間は5時45分~19時。日曜・祝日定休。