「ムーミン」の愛称で親しまれた電気機関車「EF55」の出発式が1月18日、JR高崎駅(高崎市八島町)で開催され、最後の雄姿を一目見ようと詰めかけた鉄道ファン約1,200人が2番ホームを埋めた。
「ムーミン(EF55)」が製造されたのは1936(昭和11年)年。現役の電気機関車では最も古く、そのかわいらしい姿からファンが多く、引退を惜しむ声が多い。
JR東日本高崎支社(栄町)が「ムーミン」の交換部品調達が困難になってきたことや、メンテナンスできる技術者が減ったことにより、「さよなら運行」を決めたのは昨年10月。
同12月に始まった「さよなら運行」は注目を集め、運行した13本はすべて満席となった。
当日は「さよなら運行」のラストランとあって、発車時間の1時間以上前からファンが詰めかけた。「ムーミン」がホームに入って来ると、ホームから身を乗り出して写真やビデオを撮るファンに向け、「黄色い線まで下がって」とのアナウンスが繰り返さる一幕も。
「ムーミン」は10時36分、蒸気機関車「C58」に送られ横川駅に向けて出発。11時18分に横川駅に到着し、モーターを止めた。
JR東日本高崎支社の担当者は「『ムーミン』を鉄道博物館に展示するという報道があったと聞くが、『ムーミン』の今後については現在検討中であり、詳細についての発表はしていない」としている。注目を集めてきた車両だけに第3の人生にも注目が集まっている。