群馬県立歴史博物館(高崎市綿貫町、TEL 027-346-5522)は9月6日から開催される「戦国武将からの手紙-博物館に届いた中世文書-」で、戦国武将の手紙約80点を公開する。
同館は開館以来、中世文書を収集してきた。今回公開する文書は足利尊氏、武田信玄、上杉謙信、加藤清正、徳川秀忠など室町時代から近世初頭までの戦国武将の文書(手紙)。
文書の内容を読み解くと一通の文書から当時の社会のありさまを知ることができる。「当時の文書は、文書を書くための作法をまとめた『書札礼』通りに書かれている。『書札礼』には身分の上下による宛名の位置など事細かい規定があるため、文書を見るだけでも差出人と受取人の社会的地位や関係がわかる」(同館担当者)という。
また、これらの時代の文書には「花押(かおう)」と呼ばれる署名の代わりに使われた符号が使われている。花押には自分の名前に使われている漢字2文字からとった偏と旁(つくり)を組み合わせたもの、1つの文字を図案化したものなどがある。
「花押も文書と同じようにさまざまな背景を読み取ることができる。花押は好みだけで決めていたわけではない。例えば一族の花押は形が似ていたり、一族ではないのに似た図案が使われているなど政治的なつながりを示すものもある」(同)。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(9月15日は開館、16日休館)。観覧料は、大人=200円、大・高校生=100円。10月5日まで。