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前橋ロケの映画「CITIZENs」 ウクライナ侵攻契機に脚本、ドイツ村に戦車

旧赤城高原クローネンベルクドイツ村でのロケ

旧赤城高原クローネンベルクドイツ村でのロケ

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 閉園したテーマパーク「旧赤城高原クローネンベルクドイツ村」(前橋市苗ヶ島町)で昨年10月に撮影された短編映画「CITIZENs」(40分、ふるいちやすし監督)が2月13日、完成した。

戦車シーンのメイキング

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 旧赤城高原クローネンベルクドイツ村(以下、ドイツ村)は1994年に開業。最盛期には年間約19万人を集客するほどの人気を得たが2017年、運営を手がけていた「旧赤城高原開発」(前橋市)が親会社「ファーム」(愛知県)とともに倒産。23年の歴史に幕を下ろした。

 現在は林牧場(前橋市苗ケ島町)所有。羊の放牧場、レストラン、ハム・ソーセージ工房、野外劇場、バラ園、洋風庭園、石畳など当時のまま残り、映画やドラマなどのロケを受け入れている。

 ふるいちさんは「彩~aja」(2012年)でのモナコ国際映画祭4冠受賞を皮切りに、「千年の糸姫」(2017年)でロンドンフイルムメイカー国際映画祭、アジア国際映画祭、インドネシア映画祭で最優秀作品賞を受賞。「Honey Roasted Chicken」(2024年)ではモナコ国際映画祭最高位の「エンジェル・ピース・アワード」、ミラノ国際映画祭など合わせて7つの賞を受賞した。

 「CITIZENs」はふるいちさんの最新作。脚本は2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れた時に書き始めた。「予算なんか考えなかった。戦車も必要だったし、自分で書いておきながらできるわけないと思った。それでもどうしても伝えたいことがあった」と振り返る。

 「ドイツ村」は「CITIZENs」の撮影監督を務めた会田正裕さんに勧められた。会田さんは「相棒」のドラマ、劇場版の撮影を長く担当しており、「ドイツ村」を使ったことがあった。脚本を読んだ途端「ドイツ村がいい」と。

 さすがに石畳の上はNGだったが牧草地ならと戦車走行の許可が下りた。肝心の戦車は角川映画に使われたものが見つかった。戦車はイミテーションだがとても精巧にできており、ちゃんと走った。

 ふるいちさんは「この映画にはどこの国でもない外国の風景と戦車が必要で、海外に行くしかないと思っていた。完成まで道のりは決して楽なものではなかったが、たくさんの奇跡があった。群馬の美しいロケーションとみなさんの温かいサポートに感謝している。ロシアかウクライナ、東か西か、北か南かではなく”The choice Not to Fight.” 。一人でも多くの人に見てもらえたら」と呼びかける。

 「CITIZENs」はパブリックドメイン。YouTubeなどインターネットでも配信する。公開は4月頃になるとみられる。問い合わせは「一般社団法人フィルム・ジャパネスク」(東京都新宿区)で受け付ける。

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