高崎出身パリ在住の女流写真家、甘楽郡で「中こま犬」展

晃子さんとピエールさんがお手本の「こま犬」を見ながら初めて作った作品。手前右が晃子さん、奥がピエールさん

晃子さんとピエールさんがお手本の「こま犬」を見ながら初めて作った作品。手前右が晃子さん、奥がピエールさん

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 高崎市出身の女流写真家、井田晃子さん(パリ市在住)が写真家の夫、ピエール・ジャベルさんらが作りためた「こま犬」50点を展示する「中こま犬展」が、群馬県甘楽郡のギャラリーで開催されている。

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 晃子さんの父は洋画家の井田淳一さん(1940~1998年)。晃子さんは群馬県立高崎女子高校から芸大に進み、芸大を卒業した1995年「絵描きになろう」(晃子さん)と、フランスの国立美術学校「ボザール」への編入を目指して渡仏したが、「フランス語の語学力が足りず落ちてしまった」(同)。

 「また来年挑戦すればいいと思い、1年間別の学校に行こうと考えたがその時点でまだ受け付けていたのは『ベルサイユ市立美術学校』だけだった」(同)。そして晃子さんは、ベルサイユ市立美術学校の学科の中から写真学科を選び入学。1年後にはフランスの国立装飾美術学校「アールデコラティフ」に入学した。

 「高校生のころ、自分で作った料理の写真を撮り写真付きのレシピ集を作ったことがあった。写真も面白いなと心を引かれた」(同)という。晃子さんは同校で2年先輩のピエールさんと出会った。

 晃子さんは現在、主にフランスの大手出版社「アシェット社」傘下の「マラブー社」の料理関連の写真を撮っている。その作風が従来のフランスの料理写真と異なっていたことから、「いまではマラブーのイメージを創造したと言われている。そのため作風をまねたものが多くなってきているので、別の切り口を模索している」(同)。

 ピエールさんは元々ルポルタージュ系の写真家で、現在は主に「フランスで『イラストレーション』と呼ぶ、記事のテーマに合わせて創作する写真」(同)や、晃子さんとのコラボ作品を制作している。

 二人が「こま犬」に出会ったのは2003年。以降、「坂下タイル工房」(甘楽郡)の坂下明美さんの指導で、帰国するたびに「こま犬」を作り、「100点になったら『大こま犬展』を開こうと思っていたが、晃子さん、ピエールさん、私の作品が合わせて50点になったので『中こま犬展』を開催することにした」(坂下さん)。

 家を守る「シーサー」に対し「こま犬」は「古くは思いを込めて手作りし、神社に納めるものだった。晃子さんもピエールさんも初めから上手なので驚いた」(同)と振り返る。

 会場は、瓦店を営み「新屋根開拓集団 屋根舞台」世話人代表を務める小林保さんの自宅兼ギャラリー「甘楽商店」(甘楽郡甘楽町福島、TEL 0274-74-7701)。開催時間は水曜・木曜・土曜10時~16時。5月10日まで。

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