地元のNPO法人が運営を手がける映画館「シネマテークたかさき」(高崎市あら町、TEL 027-325-1744)が10月22日に始めた、新しいスクリーンを設置するための改修工事が順調に進んでいる。
同館は2004年12月のオープン以来1スクリーンで営業を続けてきたが、プロジェクトの企画段階から「2スクリーンにして特集上映も行いたい」との意向があった。今回新たにスクリーンを設置することになったのは、今年7月の中越沖地震で被災した映画館「シネマチャオ」(長岡市)から「閉館するため上映機材を譲りたい」という申し出があったのがきっかけ。
これを受け「シネマテークたかさき」は、2スクリーン目を設置するために2階フロアの改装を決めた。上映機材(1スクリーン分)を300万円で譲り受けたものの改修工事にかかる予算は約4,000万円。すぐに賛助金を募り始めた。「まだ目標額には及ばないが、個人、企業ともに協賛金が集まり始めている。目標額に達するまで募集を続けるのでご協力を」(担当者)と呼びかけている。
1980年代に始まったシネマコンプレックスの台頭は、同市内の映画館を直撃した。同市内にはオリオン座、東映、東宝、松竹、オリオン座の4館(計9スクリーン)が営業していたが、2003年のオリオン座閉館を最後にすべて姿を消した。これらの映画館は1987年から開催されていた「高崎映画祭」の中心的な会場でもあった。そのため同映画祭を中心に「高崎にミニシアターを」との機運が高まり、2004年12月には「シネマテークたかさき」をオープンするまでになった。
「もとは銀行だった建物。階段の幅を広くしたり、非常階段を付けたりと大幅な変更を加えているが、10月27日から夜の営業を再開した。12月中旬には予定通りオープンできる予定」(担当者)だという。
新しい劇場の面積は85.69平方メートルで、64席になる予定。賛助金は個人=1口1万円~、法人=1口10万円~。