2月14日の大雪でビニールハウスの倒壊が相次ぎ、最盛期を目前にした群馬のブランドイチゴ「やよいひめ」などイチゴの被害が深刻だ。
群馬県のイチゴ出荷量は2990トン(2011年)で全国12位。「やよいひめ」は「とねほっぺ」と「とちおとめ」を掛け合わせたオリジナル品種で、甘みと酸味のバランスが良く、日持ちもする。他品種の品質が低下してくる3月に入っても安定した品質を保てるのが特長で、12月と2月下旬に最盛期を迎える。
「やよいひめ」の栽培を手掛ける「松井ファーム」(前橋市上佐鳥町)は6棟(合計6900平方メートル)のハウスのうち4棟(5400平方メートル)が倒壊した。代表の松井利彦さんは「70センチを超えた雪でも助かったハウスがあることが不思議なくらい」と振り返る。
松井さんによると、通常はハウス内のカーテンを閉めて室温を5~8度に保つ。降雪時はカーテンを開けて10度まで上げ、ハウスの外にも暖気が回るようにするが、観測史上最大の雪には歯が立たなかった。
14日から15日にかけて降った雪は平年の72倍。群馬県の担当者は「ハウス栽培のイチゴは9割近く、このほか野菜、養鶏、養豚などハウスや施設を使うものに影響が出ており、被害は過去最大規模になるのでは」と話している。
県は農業の被害状況をまとめ、19日にも公表する予定。