高崎の中華料理店が「アウトドア作戦」-「計画停電」インバーターで乗り切る

店頭のはり紙の前で、池谷さんと妻の征子さん。手にしているのがインバーター

店頭のはり紙の前で、池谷さんと妻の征子さん。手にしているのがインバーター

  • 0

  •  

 高崎の老舗中華料理店「萬来軒別館」(高崎市請地町、TEL 027-322-4686)店主の池谷成就さんが、「計画停電の備えにインバーターのシステムを」と呼びかけている。

「小さな変電所」は店の隅に

[広告]

 同店は1926(大正15)年創業の老舗中華料理店「萬来軒」の別館で、食事・出前・宴会と幅広いニーズに対応する。「化学調味料を一切使わず、鶏ガラスープをベースにした料理にこだわる」(池谷さん)店だ。

 3月11日、高崎も震度5強の揺れに見舞われた。地震後、「今まで経験したことのない揺れと津波の被害の大きさに圧倒された」という池谷さんに今度は計画停電が襲いかかった。

 「休んでしまうのは簡単だが、通常通りとはいかなくても何とか営業したかった。電気工事の資格を持つ知人に相談したら、バッテリーとインバーターがあれば照明をつけられると言うので、急いでバッテリーとインバーター(300ワット)、LED電球を買いに走った」

 LED電球は従来の20ワット位の大きさのものでも消費電力は7ワット程度。300ワットのインバーター1台で6個のLED電球を点灯した上に、電話が使えた。これならいけると、調理場の照明と窓用換気扇2台を動かすためにバッテリーと400ワットのインバーターを追加した。

 インバーターは直流電力を交流電力に変える変換機で、キャンプなどで使われることが多く、アウトドアグッズの売り場で手に入る。電気の配線作業は有資格者でないと行えない。同店の配線を行った岡村浩さん(IOS FACTORY=安中市)は「自宅では太陽光で発電した電気を車のバッテリーに蓄え、パソコンなどの電源として使用している。オフィス対策も可能だが、バッテリーの扱いには注意が必要」と話す。

 計画停電回避を目指し関係機関で検討が続いているが、池谷さんは「軽自動車用のバッテリーが4,000円、インバーター(300ワット)が2,000円、充電器は1万円以上するが、これくらいの投資で停電を乗り切れれば安いもの。停電は起きないとも限らないのでおすすめ」と力を込めるも、「エアコンまでは無理」と、夏の計画停電を憂う。

 メニューはランチ(650円~)を含め約50種類、出前メニューも約50種類。営業時間は11時30分~14時、17時~20時45分。月曜定休。

後援会申請バナー
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース