前橋のラーメン店「柳麺(りゅうめん)ととや」(前橋市上泉町、TEL 027-269-9801)で、人気の「ととや麺」と「カツオ油」について聞いた。
店主の谷藤勉さんは21歳で脱サラし、1988(昭和63)年にそば店を開いた。「ラーメン業界は面白そう」と、そば店からラーメン店に業態変更したのは2004年。
谷藤さんがラーメン業界に興味を持ったのは「そばのファンは物静かで、ラーメンファンのような熱さはない。ラーメンファンの方が作る側の熱意が伝わりやすいのではないかと思ったから」。修行には出ず、約6カ月間ラーメンを研究する。
そして谷藤さんは、ラードでカツオ節をいためて焦がした「カツオ油」をかけて提供するラーメンにたどり着く。
看板の「ととや麺」(650円)は動物系(鶏ガラ、モミジ、豚ガラ、丸鳥)と節系(カツオ節、ソーダカツオ、サバ節、昆布、シイタケ、するめ)のダブルスープと自家製のストレート極細麺に「カツオ油」をかけたもの。
カツオ油は「好みを考慮し、注文を受けた時に入れるかどうか確認するが、ほとんどの人が入れる」。同店のラーメンを食べた人の中には「ラーメンに魚の油をかけるなんて」と批判的な人もいるが、極細麺・ダブルスープ・カツオ油に魅了される人が多いようだ。
「そば店のころより3倍近く働いている」という谷藤さん、そのうちの多くの時間は「仕込み」のためで、こうしたラーメンに対する熱意が「カツオ油」と相まってラーメンファンを引きつけているのかもしれない。
営業時間は11時30分~14時30分、17時30分~21時30分。月曜定休。