自家製ソース使う「ヒレソースカツ丼」、休日は遠方から-高崎の老舗食堂

古き良き時代の懐かしさを残す老舗「一二三食堂」

古き良き時代の懐かしさを残す老舗「一二三食堂」

  • 0

  •  

 創業82年の老舗食堂「一二三食堂」(高崎市宮元町、TEL 027-322-3074)の「ヒレソースカツ丼」が情報サイトなどで話題を集め、東京、神奈川、新潟などから足を運ぶ人が増えている。

看板メニュー「ヒレソースカツ丼」(980円)

[広告]

 同店の歴史をたどる上で欠かせないのは戦争だ。高崎市には1884(明治17)年から日本陸軍の歩兵第15連隊の駐屯地があった。一二三食堂を創業した宮本初太郎さんは同駐屯地内で食堂を開いていた。

 1927(昭和2)年、同連隊は旅順に駐留することになる。これを契機に初太郎さんは、母親と娘の3人で食堂開店を決める。現在の店主、3代目の勇さんは「3人で力を合わせて頑張ろうとの思いを込め『一二三食堂』としたと聞いている」と話す。

 同店で最も注文の多い「ヒレソースカツ丼」(980円)は、初太郎さんの時代から提供していた看板メニュー。1980年代からソースを自家製に切り替えた。自家製ソースはカツにだけ照準を合わせており、「エビフライで試してみたが、合わない」(勇さん)という。

 同店を初めて利用した人が驚くことの一つに「食後の牛乳」がある。食事メニューのセットの飲み物と言えばコーヒー、紅茶が一般的。なぜ牛乳なのか。勇さんの妻・千代子さんは「ビジネスマンの中には単身赴任者も多く、健康的な飲み物をと考え牛乳をチョイスできるようにした」と話す。

 情報サイトや旅行雑誌などで紹介されたこともあり、「平日は近くのビジネスマンが多いが、土日は県外からわざわざ出かけてくれる人が多い。沖縄から来てくれた人もいた」というが、景気低迷の影響はあるようで、「平日の利用は若干減っている。その分休日が増えている」(同)とも。

 営業時間は11時30分~15時30分、18時30分~20時(水曜・日曜・祝日は11時30分~15時30分)。

後援会申請バナー
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース