プレスリリース

【PFASフリー】業界初!創業130年超の老舗染色加工工場が開発した”皮脂に強い”非フッ素撥水加工「dewelry(R)0(デュエリーゼロ)」

リリース発行企業:朝倉染布株式会社

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朝倉染布株式会社(本社:群馬県桐生市、代表取締役社長:朝倉剛太郎、1892年 明治25年創業)が、PFAS規制に対応した非フッ素撥水加工「dewelry(R)0(デュエリーゼロ)」を開発いたしました。一般的な非フッ素撥水加工は”皮脂や油分に弱い”という課題がありましたが、当社の独自技術によりこの弱点を解決。業界初となる“皮脂に強い非フッ素撥水加工”として実用化しました。

また、本加工生地は、2025年10月1日(水)~3日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて開催される
ファッションワールド東京(FaW TOKYO)にて展示されます。

世界的に強まるPFAS規制と繊維業界への影響

PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、12,000種類以上存在する人工的に合成された有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじく性質を持つことから、長年にわたり撥水・撥油加工や食品包装、消火剤など幅広い用途で使用されてきました。しかしその一方で、自然環境中で分解されにくく、人体や生態系に残留・蓄積する可能性があることから、近年は国際的に規制が強化されています。
すでに日本ではPFOS、PFOA、PFHxSが規制対象物質に指定されており、その他のPFASについてもOEKO-TEX(R)は2025年4月から規制実施済みで、欧州のREACH規制は2027年12月に対象拡大が予定されています。米国ではEPAによる全国的な規制スケジュールは未定ですが、州レベルでは規制が始まっている地域もあります。さらに規制に先行して動いているのが薬品メーカーで、3Mはすでに製造を中止、AGCやダイキンも2026年末までに撤退を決定しており、PFASを含む薬剤(C6撥水剤)の入手は急速に困難になっています。
このような状況を背景に、アパレル業界では非フッ素化への移行が進んでおり、2026年春夏シーズンから始まり、同年秋冬シーズンには多くのブランドで完全移行が見込まれます。また、規制値が10ppm以下と極めて厳しいため、従来と同じ加工機を使用すると、意図的な使用がなくても残留PFASが検知される可能性があり、業界全体として切り替えは不可避となっています。
一方で、PFASフリーとなった場合には従来の性能を完全に維持することが難しく、特に油脂への耐性が失われることで日常使用の中で性能劣化が起きやすいという課題があります。特に衣料では皮脂が付着することで撥水効果が低下することが懸念されており、こうした課題を解決するため、当社では皮脂が付着しても性能低下を起こさない新たな加工技術を開発いたしました。

従来の非フッ素撥水加工は”皮脂汚れ・油に弱い”のが弱点




以前までの主流となっていたフッ素撥水加工では、撥水性に加え撥油性も持ち合わせていました。
皮脂などの油分が付きにくい特性を持っており、生地の繊維(フィラメント)の一本一本に炭化フッ素を付着させて強力な撥水力を発揮していました。
一方非フッ素加工では、フッ素加工のような”撥油性”を持たないことが大きな弱点といわれています。皮脂等の油分が繊維の表面に付着しやすく、汚れとして残りやすくなりそこから水がしみてしまう傾向にあります。
上図は、布上に掌を強く押し付けた後に、霧吹きで細かな水をかけて数分放置をした様子です。弊社も開発初期の非フッ素撥水では、手で触れた部分からじわじわと水がしみて手の跡が残ってしまいました。

朝倉染布が開発した 新しい非フッ素撥水加工「dewelry(R)0(デュエリーゼロ)」

【「dewelry(R)0(デュエリーゼロ)」の特徴】
皮脂汚れに強い:非フッ素加工の弱点である油による撥水低下を独自技術によって解決
水がコロコロと転がるほどの超撥水*:蓮の葉構造を生地上に再現し、転がるような撥水を実現
高い洗濯耐久性:JIS法(日本産業規格)に基づいた社内試験にて、洗濯100回で4級以上を獲得
柔らかな風合い:フッ素系撥水剤と全く異なる新たな手法により、生地本来の風合いを保つ
●優れた耐水圧性能:バケツのように水を汲めるほどの強力な耐水圧を実現


【撥水剤性能】
初期4-5級、接触角150°以上、洗濯50回後4級以上・100回後3級以上、滑落角15°以下、皮脂汚れ試験後4級以上 *超撥水とは、生地と水滴の接触角によって定義されています。(撥水:90°~150°・超撥水:150°以上)

【皮脂汚れに強い理由】
撥水剤に皮脂汚れに強い成分を添加し且つ凹凸表面を表現することで、皮脂汚れを防止し、良好な耐久撥水面を形成しています。



【水滴がコロコロと転がる仕組み】
皮脂に対して比較的強い物質を撥水層表面に配向させることにより、疑似的な蓮の葉構造を生地上に実現。蓮の葉には微細な突起があり、その間にある空気層が水滴を浮かび上がらせます。そのため、付着した水滴は丸い形状となり、接触角150°を超える超撥水を実現しました。





【洗濯100回 4級】
当社の非フッ素撥水加工技術は、JIS法(日本産業規格)に準拠した社内試験において、100回の洗濯後も4級以上の撥水性を維持することが確認されています。これは、100回洗濯をしても撥水機能がほとんど低下しないことを表しています。従来のフッ素撥水加工と同じように、繰り返しの洗濯にも耐えられる強い耐久性と、長期間にわたって高い撥水効果を保つことが可能となりました。






【生地本来のしなやかさをそのままに】
一般的な非フッ素撥水加工では、生地が硬くなってしまうことが課題とされています。
しかし、当社の開発した新しい非フッ素撥水加工技術では、独自の架橋剤や撥水剤、さらに加工方法も見直し、
従来のフッ素撥水加工とはまったく異なる手法を採用しました。その結果、生地本来の柔らかい風合いを保ちながら、フッ素撥水剤に匹敵する高い撥水性能を実現することが可能となりました。



*業界初
繊維用非フッ素撥水剤製造メーカー(20社:国内で入手可能なほぼ全て)に聞き取り調査を行い、非フッ素撥水剤における撥油(皮脂を含む)性能の状況を調査した結果、2025年9月時点では撥油(皮脂を含む)性能の有る物は無いという回答でした。
撥油(皮脂を含む)性能の無い撥水剤に加工技術によって撥油(皮脂を含む)性能を持たせたものが「dewelry(R)0(デュエリーゼロ)」となります。
上記調査内容から業界初といたしました。

朝倉染布株式会社について

朝倉染布株式会社は、古くから織物の街として知られている桐生の地に「朝倉織物整理工場」として1892年(明治25年)に創業しました。創業130年を超えた現在でも、一貫して新たな加工技術の開発・研究に取り組み、dewelry(R)0(撥水加工)や吸水速乾加工をはじめとする、様々な最新技術を誕生させています。

【会社概要】
社名:朝倉染布株式会社
本社所在地:群馬県桐生市浜松町1丁目13番24号
代表取締役:朝倉 剛太郎
設立: 1892年 明治25年 7月6日
HP:https://www.asakura-senpu.co.jp/




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