フォトフラッシュ

糸井重里さん「太陽の鐘」

僕は天気をちょうど良くする名人なんですけれども。どうでしょう、できばえは。おまけにサクラも咲かせておきました。「めぶく。」という言葉にぴったりの季節にこういう日が迎えられて本当に良かったなあと思います。   どこも、あらゆる日本の街は調子悪いんですよ今。どこも調子悪いんだけれど、先に芽を出そうじゃないかという気持ちが「めぶく。」という言葉の中に込められています。芽を出すっていうのを心で思っていてもどこに芽がでているの、見えにくい。じゃあていうところで何か見える芽が出たものが欲しいなって考えている時に、芽が出るに太陽が必要だ、こん時に太陽の鐘が確か眠っているぞと思ったのが仲人の僕の最初の考えでした。なくなっちゃっていると思って探したらちゃんとしまってあった。前橋のめぶきにこの太陽のエネルギーをくれないか、ていうことをお願いしてここに嫁ぎ先として決まった、というお話です。   ご覧の通り木に囲まれていること自体がもう珍しいです。藤本さんの仕業です。普通大変な彫刻なんだよというと、みんなおかしな人達が「いくらなの」という。そういうことから離れたかったんですね。値段じゃあない。だって岡本太郎の彫刻は売っていないですからどこにも。で何か変な気分になってくれるのが一番のたぶん岡本太郎の望みだし、これを作ったぼくらの願いです。   小さいお子さんがたくさん今いらっしゃいますけどこの人たちが二十歳になってよその地方の人達と話しをする。そのときに前橋に何があるのと言った時に、今何がありますか。赤城山がある、埋蔵金が出たかもしれない、あ出なかった。いろいろお国自慢としてあるかと思うんですけれども、あのさあ、ちっちゃい時から変な形の鐘があったんだよねと、鐘をつこうと思っても、長い棒をみんなで「せ~の」をやらないとつけないと、凄く変な鐘があって岡本太郎という者が作ったらしいんだけれど、あれ見ていたんで、俺変になっちゃたんじゃないかなあということを、例えば鳥取県の人としゃべる、みたいなところを僕は今から想像してワクワクしています。   こんな変な鐘があるのは前橋だけです。もう一個お寺は静岡にあるんですけれども、これは兄弟みたいな関係。親にあたる太陽の塔は大阪にあります。前橋にはこれがあるっていうのを、ちっちゃい子が大人になった時に自慢できるような街にぜひなっていただきたいな。10年20年経った時にどうなってるか、この鐘のせいで俺は何か妙なパワーをもらったというような、そんな街になったらいいなあと思って今日を迎えました。   みなさんどうぞこの鐘を何度も見て変なエネルギーをぜひ身につけてください。どうもありがとうございます。   岡本太郎「太陽の鐘」再生のシンボルに 18年振り、前橋で復活 <記事に戻る>

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