高崎市と合併した旧吉井町の田んぼで6月7日、恒例「どろんこ祭り」が開催される。開催は今回で7回目。毎年、テレビなどで大きく取り上げられることから、都内からの参加希望者も多い。
どろんこ祭りの会場は吉井町でも有数の面積を誇る、2反5畝(750坪)の田んぼ。水を張った田植え前の田んぼだ。
運営に携わってきた同市吉井支所の岡部さんは「普段、子どもは服を汚すとしかられると思っている。汚れてもいい、どろんこになってもしかられない祭りの日の子どもの顔はくったくがなく、自由な心が広がる」と話す。
どろんこ祭りは小中学校が完全週休2日制になった2003年に始まった。目的は親子のふれ合いで、初回から継続されている競技「手つなぎ親子リレー」ではつないだ手を絶対に離してはいけない。泥に足を取られる田んぼを手をつないで走るのは大変だ。
このほかにも、「どろんこ障害物競走」「お尻相撲」「父ちゃん母ちゃん別しろかき走」、ビーチバレーならぬ「どろんこママさんバレー」などの競技も予定されており、これらの競技は「どろんこオリンピック」と呼ばれている。
浜名湖から取り寄せた60~70センチメートルのウナギ数百匹を田んぼに放して行う「ウナギのつかみ取り」もオリンピック競技の一つ。これらのウナギの中には田んぼの泥に潜り、つかみ取られるのを免れるものも出る。ウナギは田んぼの水が抜かれる土用のころまで田んぼで生き、その後は肥料となる。
この田んぼで収穫された米の一部は、どろんこ祭りの写真の出来栄えを競う「どろん子写真コンテスト」の賞品「ウナギ米」となる。
「子どもから大人へ成長する過程で、道を踏み外したり、引きこもりになったりといろいろなことがあるだろう。そんな時、親子でくったくなく泥んこになった写真を見ることが本来の自分を取り戻すきっかけになれば」(岡部さん)と子どもたちの将来へ思いを込める。
当日は、東京都内を中心に参加希望者が殺到する中、運良く参加権を得た渋谷区の子ども50人と地元の約2,000人が泥んこになる予定。
問い合わせは吉井支所(TEL 027-387-3111)まで。