東証2部上場の中堅建設会社「井上工業」(高崎市和田町)は10月16日、東京地方裁判所に破産手続開始の申し立て行い、同裁判所から即日、破産手続開始決定を受けたと発表した。負債総額は同社=115億6786万円、子会社のフォレスト=9億4791万円。
同社では「2000年、特定調停手続により金融機関から債務免除された後も人員整理や経費の節減に努めてきたが、受注の減少、完成工事の請負代金の回収が滞るようになり資金繰りが急激に悪化」し、難局を乗り切るために同社は先月、第三者割当増資と新株予約券の発行を決め、18億2000万円の振込を受けていたが9月24日、この内の15億2000万円を従業員が流用したことが後になって発覚し、資金繰りの目処が立たなくなった。
今後、同社はフォレストとともに破産手続を行う。子会社の「井上道路」は従来通り事業を継続するとしている。