店内に絵画を飾るお好み焼き店「アート館」(高崎市新町、TEL 0274-42-2121)が来年1月から、現在販売中の年賀はがきにも使われている葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」(版画)、ビュッフェ(仏)「Mt.Fuji」(リトグラフ)など、「富士山」にちなんだ作品を飾る。
同店はお好み焼き店でありながら、店内に絵画や彫刻を飾る珍しい店。絵画を煙や油から守るために、店内には専用のケースを設置し、2~3カ月に1度かけ替えている。同店オーナーの石川さんは、サラリーマン時代からさまざまな作品を収集してきたコレクター。
石川さんは多野郡新町(現高崎市新町)の生まれで、定年退職を機に同地に戻り、東日本調理師専門学校(高崎市矢中町)で1年半調理を学び、同店を開店した。「鉄板を囲む家族やグループの枠を超え、店内全体をなごやかで明るい雰囲気にしたかったため、あえてパーテーションで仕切らずオープンに」(石川さん)して、壁面を使ってコレクションを公開するというおまけを付けた。
開店以来初めて迎える正月にふさわしい作品をと石川さんが選んだのは、葛飾北斎「凱風快晴」(版画)、ビュッフェ(仏)「Mt.Fuji」(リトグラフ)はじめ12点。「ビュッフェの『Mt.Fuji』は非常に珍しい作品」(石川さん)だという。
開店に際して、「一緒にやらないか」(石川さん)の求めに応じ、テレビ制作会社を辞め、同店の店長になった洋明さんは「話しを聞いた時はびっくりしたが、オープン以来知り合いが増え、その紹介で知り合いの和が広がり楽しい。最近ではザスパ草津の選手と知り合ったのが縁で『ザスパ草津サポートショップ』を始める準備をしている」という。「制作会社時代の友人が所沢市や千葉県など遠くからお好み焼きを食べに来てくれた時はうれしかった」(洋明さん)とも。
同店のお好み焼きはふたをして蒸し焼きにする。「蒸し焼きするためふっくらと焼き上がるのが特長。焼き時間は片面3分ずつ、ひっくり返してまた3分、9分で焼き上がる」(石川さん)。メニューは、お好み焼き=490円~、もんじゃ=500円~、たこ焼き=780円、サラダ=480円~、鉄板焼き=520円~など。
営業時間は11時30分~14時、17時~23時。火曜定休(月末の火曜は営業)。ぐーちょきパスポート提示でお好み焼き、もんじゃ、ドリンクが割引になる。
年内は、東郷青児「セビリアの女」(リトグラフ)、清水達三「舞妓」(日本画)ほか、高村光雲「観世音菩薩像」(ブロンズ)などを鑑賞できる。
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