ハーモニー高崎ケアセンター(高崎市柴崎町、TEL027-346-8109)は、同センターが開催している「要約筆記教室」の1日見学者を募集している。
要約筆記とは、耳の聞こえない人(主に中途失聴者)のために、話しの内容をその場でまとめて文字にして伝える作業のことで、講演会など会場が広い場合にはOHP(オーバーヘッドプロジェクター)を使って要約した文章を提示する。
要約筆記を行うにあたっては、「話しの内容を瞬時に全部書くのは不可能。話しの内容を凝縮して正しく伝えなければならない」(群馬県要約筆記会会員)ため、要約技術の習得が必要となる。同教室では「群馬県要約筆記会」の協力により、要約筆記のできる市民ボランティアを養成している。最近ではパソコンとプロジェクターを使った「パソコン要約筆記」が注目されているが、要約筆記の方が年齢層の幅が広く、同教室には30歳代~70歳代の人が通っている。
講習は、講師の話しを要約筆記会の会員が実際に要約筆記を行いOHPで提示するが、講師の原稿には間違えやすい言葉や聞き慣れない言葉が散りばめられている。「二十日と二日、松田と増田の聞き分け、デオキシリボ核酸、エイコサペンタエン酸などの専門用語や数字なども『聞きだめ』して要約する」(同会会員)ため、社会の役に立つと同時に、スキルアップや「脳トレ」にもなるという。
たまたま新聞記事を見て応募したという女性(藤岡市在住)は「手話を習っていたので、要約筆記も覚えてボランティア活動に役立てようと思った。わかりやすく説明してくれ親切に教えてくれるが、話しに追いついていくのが大変で要約の難しさを実感した」と話す。友人が9年前に難聴になったのがきっかけで受講し始めたという男性(高崎市在住)は「まとめて要点を書くのは難しいが、励みになっている」とも。
1日見学の日程は10月16日、23日、11月6日、13日。見学時間は13時30分~15時30分。見学は無料。