群馬県は5月8日、米軍機の飛行訓練による騒音測定のため前橋市と渋川市に設置した騒音測定器のデータを公開した。
群馬県には空港はなく、航空機の音と言えばドクターヘリ、自衛隊の輸送機やヘリコプターの音などが主だが、数年前から頻繁に米軍の戦闘機と思われる航空機が飛ぶようになり環境が一変した。
昼時に爆音が響き渡った2008年には、警察、県庁、市役所、自衛隊駐屯地などに電話が殺到。当初「戦争でも始まったのか」という不安な気持ちからの問い合わせもあったが、回を重ねるごとに不安は苦情に変わっていった。
同県に寄せられた4月の苦情件数は307件。このうち前橋市に寄せられた分は40件で、隣接する高崎市の8件の5倍になっている。
今回公表されたデータを見ると、瞬間的ながら4月23日19時35分~19時55分に行われた訓練では前橋市で90.2デシベルを記録した。90デシベルは環境省が公開している「騒音の目安」(全国環境研協議会 騒音小委員会調べ)のマックスレベルである「パチンコ店内」に相当する。
同県は影響が大きい前橋市と渋川市での計測を続け、収集した客観的データを国への申し入れ、要請時に役立てる考え。