「本場黄八丈」のアンティーク着物の展示、会期終了迫る-高崎市染料植物園

八端男物羽織(江戸時代)日本民藝館蔵

八端男物羽織(江戸時代)日本民藝館蔵

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 八丈島で織られた「黄八丈」を展示する企画展「黄八丈の輝き」が現在、高崎市染料植物園(高崎市寺尾町、TEL 027-328-6808)で開催されている。

現代の黄八丈を見る

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 黄八丈は黄色、とび色、黒の3色の絹糸を使って縞(しま)や格子柄を織り出す織物で、室町時代には朝廷に、江戸時代には年貢として納められた。黄八丈は紬の一種。紬は綿花を紡いだ木綿糸で織るものと、変形するなど品質の劣る繭(まゆ)を紡いだ絹糸を使って織るものとがある。

 紬は絹の着物の着用が制限された時代には絹であっても光沢が鈍く目立ちにくいことから好まれた。丈夫なため普段着や作業着として使われたことから現在も正式な席で着用することはできないとされる。それでも紬は人気があり、特に国産の絹糸が使われた時代のアンティークの紬は人気が高く、仕立て直して着る人もいる。

 黄八丈の黄色はコブナグサ、とび色はタブノキ、黒はシイの色。これらの植物は八丈島に自生する。八丈島以外でも黄八丈を生産するようになったため、八丈島で染め上げた糸を使い八丈島で織った黄八丈は「本場黄八丈」と呼ぶこともある。

 同展では江戸時代から現代までの黄八丈の着物、帯など約50点を展示している。

 同館担当者は「染めも一回ではなく、手間をかけて何度も重ね染めしている。こうした仕事が今もなお多くの人々を魅了する」と話す。

 開園時間は9時~16時30分。入園料は、大人=200円、大高生=150円。月曜休館。6月6日まで。

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