前橋マーキュリーホテル(前橋市大友3)で3月6日、女子医学生や研修医、若い女性医師の就業継続支援を目的にした「女子医学生、研修医等をサポートするための会」が開催され、医学部志望の高校生を含む約50人が参加した。
あいさつに立った群馬県女医会会長の田所浪子医師は「第二次世界大戦中は男の代わりに男がする仕事をした。戦争が終わり、女性に選挙権が与えられた。私はもはや化石だが、これからの医療を担うみなさんの活躍を願う」とあいさつした。
崩壊が始まったといわれる地域医療。同会副会長の山田邦子医師は「出産や育児のために現場を離れなければならない女性医師を減らすことができれば、医師不足の解消につながる」と力を込める。
「女子医学生、研修医等をサポートするための会」では、医師、特に女性医師の労働環境改善をアピールできればと、小さな子どもを持つ女性医師も安心して会に参加してもらえるよう、ホテル内に託児室を設けた。
現在、国家試験合格者の約40%は女性だ。山田医師は基調講演で、「学会における女性医師の構成比率は高く、認定医の数は男性医師とほぼ同等。女性医師が欠かすことにできない医療の担い手であることを医療機関や関係者が充分に認識する必要がある。また女性医師自体も、自分を助けてくれる人を増やし、あきらめずに仕事と家庭のバランスを取りながら就業継続を目指してほしい」と訴えた。
シンポジウムでは群馬大学脳神経外科医会員の相馬薫医師、群馬県が実施する「群馬県再研修・再就職支援」プログラムにより復職した渡邉彩子医師ら9人のパネリストが自身の体験や医療の現状などを紹介した。
参加者のひとりで4月に現場復帰する、大塚恵子医師(桐生市)は「出産の育児のために6年間休業した。先輩の饗場佐知子先生に誘われ復帰を決めた。長く現場を離れていたので不安はあるが、同じ女性医師の元で働けるので心強い。10年目の研修医(笑)の心境」と笑った。