前橋在住の機械式計算機コレクター、テレビ出演きっかけに注目集まる

約33平方メートルの展示保存専用ルームには約300台の機械式計算機が

約33平方メートルの展示保存専用ルームには約300台の機械式計算機が

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 機械式計算機のコレクターとして知られる田島勉さん(前橋市在住)が昨年秋、NHK「熱中時間」に出演したのをきっかけに、さまざまなメディアから注目を集めている。

1905(明治38)年、スイス製「ミリオネアー」を見る

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 機械式計算機は1600年代にヨーロッパで生まれた。1800年代になって実用化に成功。日本には明治時代に輸入が始まった。1901(明治34)年には日本でも製造が始まり、タイガー計算機をはじめとする多くのメーカーが参入した。

 田島さんが機械式計算機に興味を持ったのは1950年代で、「子どものころから計算が苦手だったのに家業を継いだのをきっかけに、頻繁に計算をしなくてはならない。困った様子を見た友人が『これを使ったら』と機械式計算機をくれた」(田島さん)のがきっかけ。

 電卓に比べれば操作には時間がかかるが、「二乗、三乗、ルートなどの計算もできるし、電卓がなかった時代には夢のようなものだった」(同)と振り返る。

 当時、機械式計算機の価格はスイス製「ミリオネアー」=家1軒、タイガー計算機製「虎印計算機」=大卒の給料6~9カ月分と高価な品だったが、1960年代に電卓が登場によりほとんど廃棄された。

 田島さんは骨董店や、海外に住んでいる友人を通じ機械式計算機を手に入れ、分解して掃除し、油を注して使えるまでにする。「機械は動いてナンボ。今は、古い機械式計算機を使えるようにして保存することが私の仕事だと思っている」(同)と意気込む。

 500点に上る田島さんのコレクションは、機械式計算機の歴史や、日本の技術の変遷を伝える資料的価値が高い。

 「ほこりだらけで油が固まっていた機械式計算機をきれいにする。中には油を落とすだけで1週間以上かかるものもある。この時間がまた楽しい。やっとの思いでオーバーホールを終えた計算機を棚に置き、ひとりでビールや日本酒を飲みながら眺める。これが何とも言いようのない時間」と話す田島さん。世界的にも珍しいコレクションのため、NHK出演をきっかけにテレビ、新聞などから取材依頼や、「動かなくなった機械式計算機、動くようになりますか」などの相談が寄せられるようになった。

 「コレクションは現在のところ一般公開はしていない。会社に電話が入ると業務に支障をきたすので、連絡は携帯(TEL 090-3245-7335)まで」(同)とも。

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