リサイクル着物の販売やカフェの運営を手がける「地球屋」(本社=高崎市本町)は、自身のギネス記録更新を続ける「つるし雛」をさらに992個増やし、3千個の「つるし雛」としてギネス登録を申請する。
地球屋がつるし雛の制作を始めたのは2006年。古裂を使ったちりめん細工教室を開催した時、ちりめん細工をつなげて飾る習慣があることを耳にした鈴村由仁社長がつるし雛教室を開催。この教室がギネスブックに登録されるほどのつるし雛を生み出すベースになった。
ギネスブックへの登録は2006年に制作した1,301個に始まり、2008年には2,008個で自身の記録を更新。「ここまで増やせばそう簡単には抜かれまいと思ったが、2,647個(つるし雛の語呂合わせ)の制作を目指すグループがいることを新聞で知り、2,008個プラス992個=3千個を制作することにした」(鈴村社長)という。
制作はもちろん、ギネス申請用の資料作りも多くのボランティアスタッフの手によって進められた。「制作には5カ月を要した。申請には実際に制作しているところを収録したVTRが必要で、3千個をつるす作業はノーカットで収録しなければならず、本当に大変だった」(同)と振り返る。
2008年に制作したつるし雛を展示した際に寄せられた、「つるし雛の中に入れたらいいのに」という来店客の要望に応え、今回は「かまくら」のように中に入って見られるようにした。
つるし雛を目当ての来店は女性が多く、一様に「わあーっ」と感嘆の声を上げる。「この声を聞くと『よし、やった』と、疲れも吹っ飛ぶ」(同)とも。
ギネスの申請は1月末日までに済ませる予定で、その後「しばらくは次の挑戦については考えたくない(笑)」(同)と話している。
高さ7メートル、重さ80キログラム、3千個のつるし雛は、地球屋のシンボルとして地球屋榛名店(群馬郡榛東村)に展示する。同店では販売用のつるし雛も展示している。価格は1,050円~50万円前後。「初節句のお祝いには10万円~20万円前後の商品が出る」(同)という。