群馬県の指定重要文化財「臨江閣(りんこうかく)」(前橋市大手3)に江戸時代末期~昭和初期のひな飾り約30基が飾られ、壮観なひな祭りが開催されている。
【写真】江戸時代末期の「五人囃子のうちの一体」、さすが大名雛、サイズが大きく5人並べることができる部屋はどれくらい…
臨江閣は1884(明治17)年に本館(迎賓館)が、1910(明治43)年に別館(貴賓館)が当時の群馬県令(現在の県知事)揖取素彦(かとりもとひこ)や前橋市市内の有志によって建てられた。揖取素彦は現在放送中の大河ドラマ「花燃ゆ」で大沢たかおさんが演じている小田村伊之助で、38歳の時、藩の命令により改名。群馬県では揖取素彦の方が馴染みが深い。
前橋は1945(昭和20)年8月5日の大空襲で市内の約80%を消失した。臨江閣は戦火を免れた上に、現在まで残っている数少ない近代和風建築の一つだ。
臨江閣にひなを飾るようになったのは2008年から。現在は受け付けていないが、県民に寄贈を呼び掛けたところ、多くのひなが集った。最も古いものは江戸末期、前橋藩最後の藩主だった松平大和守直克公から拝領したといわれる「五人囃子のうちの一体」で、高崎市引間町在住の大山澄江さんから寄贈された。当時、高崎市の一部は前橋藩だった。
展示中のひな飾りは約30基あり、9時~17時(4月は18時)まで見られる。入館無料。4月12日まで。