森永製菓(東京都港区)は9月4日、キリンホールディングス(東京都中央区)が所有しているキリンビール高崎工場跡地(高崎市宮原町)に新工場を建設すると発表した。
2000年8月にキリンビール高崎工場が閉鎖された後、クローバーの種が蒔かれた同地は、高崎市民の間では、2004年に閉鎖された高崎競馬場とともに跡地利用の関心の高かった場所。敷地の総面積は17万8千平方メートル。
森永製菓の担当者は「新工場は、将来的な増産対応、新分野への生産対応を見据えた生産拠点にする。既存工場の集約化を視野に入れている」と話している。現在、菓子、食品、健康部門の商品を製造している国内の既存工場(関連会社含む)は、鶴見工場(神奈川県横浜市)、小山工場(栃木県小山市)、森永スナック食品(千葉県野田市)などの6工場。「新工場で新しい生産体制を構築することによって、現状より5ポイント程度原価率を下げる予定。既存工場の集約化は7~8年をめどに進める」(同担当者)という。
これを受け高崎市商工部産業政策課の担当者は「ニュースは4日に知った。森永製菓から具体的な計画情報が入ってくるのはこれからだが、キリンビール高崎工場では約250人の雇用があったので、森永製菓が同等またはそれ以上であればなおいい。経済効果については、計画書が出てから」と話す。同市のホームページを通じて寄せられる「市民の声」には同跡地に、ショッピングモール誘致を、グラウンド建設をなどの意見や希望が寄せられていたが、「同跡地が工業専用地域であったことから、工業以外の使用は考えていなかった」とも。
巨大なクローバー畑に大規模な菓子工場が完成するのは2009年10月の予定。