手打ちうどん、そばとカツ丼などが評判の食堂「美ゆき食堂」(高崎市新町、TEL 0274-42-1337)で配達弁当の注文が増えている。
同店は昨年10月に引退した元プロボクサー新井恵一さんの実家。現役時代は完全なフルタイムではなかったが、引退後は仕事ひと筋で頑張っている。
人気メニューは「カツ丼(卵とじ)」や「ソースカツ丼」で、ロースカツを使うことの多いカツ丼にも大きなヒレカツを使っているのが特徴。これらとともに人気があるのが恵一さんの父親で、同店店主の宏次さんが打つ「うどん」と「そば」だ。
うどんは歯応えのある太麺で、「生地を一晩寝かせ、強いこしを出す」(宏次さん)。カツオ節、ソーダカツオ節、サバ節、煮干し、昆布のだしを使った甘めのつゆで供する。
配達弁当は「カツ丼」(500円)、「ソースカツ丼」(500円)などの丼もの、丼ものと「手打ちうどん(そば)」のセット(600円)など約20種類。
「8月には2日連続で伊香保まで200個ずつ配達した。昼に伊香保に届け、急いで戻っても店の昼の営業時間に戻れないためアルバイトを雇った。その上、レンタカーを使うことになったため収支は厳しいものがあったが、当店の弁当を使ってもらえることがうれしい」と恵一さん。
「配達ではないが、『新町産業祭』では1日で600個を販売した。人の集まるイベントが増えているため弁当のニーズも高くなっている。これからも力を入れて行きたい」とも。
同店が弁当を始めたのは10年ほど前。恵一さんの試合に駆け付けてくれる応援団に「おいしいものを食べてもらえたら」(宏次さん)と用意するようになったのがきっかけだ。
引退から間もなく1年、恵一さんの仕事ぶりについて宏次さんは「一生懸命やっていると思う。仕事はそこそこできているが、これから自分でやって行くには外に出てもっと勉強してほしいと思っている。メニューを自分でアレンジするにも外に出て見識を広げる必要がある。自分の幅を広げることがお客さまに喜んでもらうことにつながる」と、普段は口にしないであろう息子への思いを口にした。
営業時間は11時~19時。木曜定休。配達弁当は事前の予約が必要。