海産物卸「群馬丸魚」(伊勢崎市日乃出町、TEL 0270-70-5555)の社員で、おさかなマイスターの大山祐理子さんが5月19日、異業種交流会「ビーネット21」の例会で講演した。
おさかなマイスターは日本おさかなマイスター協会(中央区築地)が認定する資格で、現在全国で114人が取得している。海なし県の群馬には大山さんしかいない。
おさかなマイスターの仕事は魚の旬、栄養や食べ方などを通じ、食としての魚の普及に務めるもの。講演の依頼は今まで都内からが多く、群馬県内での講演は今回が初。
ビーネット21は群馬県内の企業が集う交流会で、毎月例会を開催し親交を深めるとともに、講演や見学会などを企画し幅広い情報に触れる機会を設けている。
大山さんは、「すしネタを通して魚を知る-魚をおいしく食べるために」をテーマに、奈良時代の発祥したふなずし、室町時代の姿ずし・押しずし、江戸時代の江戸前などすしの歴史を通じて、魚をおいしく食べるための大人向けの内容を用意していたが、「大人に話すのは初めてだったので緊張した。もっと詳しく説明できればよかった」と振り返る。
講演では「お魚かるた 復刻版」も紹介された。オリジナルの「お魚かるた」は1937年ごろ、東京魚市場が魚食の普及と宣伝を兼ねて5,000セット製作したもの。現存するのは築地の仲卸業者の家で奇跡的に発見された1セットのみだという。「お魚かるた 復刻版」はオリジナルを元に築地市場で文化活動を行う「銀鱗会」が2000年に製作した。
大山さんは講演時にこのかるたを紹介してきたという。どこでも評判で、今回の参加者の多くが「お魚かるた」に興味を示していた。
講演後、大山さんは「江戸前ずしにアユが入っていたが、アユは川魚ではないか」「輸入マグロと国産マグロの価格差はどれくらいあるのか」「骨を嫌がって魚を食べない子どもに魚を食べさせるにはどうすればいいか」などの質問に答えた。