ベートーヴェンの交響曲第9番全楽章を演奏
2025年3月9日、群馬県太田市のオープンハウスアリーナ太田にて、太田市20周年を記念した「第九コンサート」が開催され、「歓喜の歌」が響き渡りました。このコンサートは、2005年の「平成の大合併」により旧太田市と3町(尾島町、新田町、藪塚本町)が合併し、現在の太田市が誕生してから20周年を迎えることを祝う記念事業として企画されたものです。関係者、参加者、そして来場者の皆さまに心からの感謝を込めて、この大成功を報告します。
全国から集まった2200人の合唱団
「3000人の合唱」を目標に掲げ、昨年5月から全国で参加者を募集してきた本イベント。当初は地方都市では無謀な試みと言われた企画でしたが、コンサート当日には北海道から九州までの各地から小学1年生から94歳までの幅広い世代が会場に集まり、アリーナの半数ちかくを合唱団が埋め尽くしました。目標人数には届かなかったものの、その規模は全国でもトップクラスとなり、サントリー1万人の第九や国技館5000人の第九に次ぐ大舞台として注目を集めました。
ベートーヴェンの「人間くさい」第九を演奏
第1~3楽章まで群馬交響楽団(指揮:藤岡幸夫)が観客を魅了
本コンサートで指揮をしたのは、関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者であり、国内外のオーケストラを数多く指揮している藤岡幸夫さん。数多くの第九コンサートを経験してきた藤岡さんも、当初は本コンサートが実現するのかは半信半疑だったそうです。しかし、1月と2月に行われた合唱参加者を対象とした指揮者練習会では、合唱レベルに手ごたえを感じました。練習会では参加者に歌い方などのほかにベートーヴェンが交響曲第九番に込めた思いや人間味溢れる人柄などを伝えました。当日は、藤岡さんが目指す「人間くさい」音楽を群馬交響楽団とプロのソリストたち(ソプラノの野々村彩乃さん、メゾソプラノの富岡明子さん、テノールの西村悟さん、バリトンの宮本益光さん)がリード。この日のために結成された大合唱団の壮大な歌声が重なって生命力溢れる演奏が披露されました。アリーナに集まった出演者を始め観客、舞台スタッフのそれぞれの歓喜への思いが重なり合い、フィナーレを迎えると会場内に歓声が湧き上がりました。
式典とコンサートで未来への誓い
約4600人が式典・第九コンサートに参加
当日は午後1時30分から太田市20周年記念式典が執り行われ、市長の式辞や功労者への感謝状贈呈が行われた後、コンサートの幕が開きました。約4600人の来場者が集まり、式典とコンサートを通じて太田市のさらなる発展を誓う感動的な一日となりました。終演後には、地元の東毛経済同友会と地元小・中学生が参加したメッセージ入りのランタンが浮かび上がり、歓喜の余韻を美しく締めくくりました。
文化の力と関係人口の拡大
この「第九コンサート」は、太田市の20周年を盛大に祝うだけでなく、芸術文化の振興や地域内外の関係人口拡大にも寄与するイベントとなりました。清水市長からは2回目の開催に対する意欲的な発言もあり、今後さらなる文化の発展が期待されます。また、第九の魅力は地域や世代を超えての交流が図れることです。昨年6月から始まった練習会では、毎回数百人の参加者が会場へ足を運び熱心にキハラ良尚さんを始めとする先生方の指導を受けてきました。また、市内中学・高校生は授業や部活動で練習を重ね、指導者練習会を経て当日のステージに立ちました。遠方からの参加者も本番まで太田市に来ることはできませんでしたが、動画で練習の様子を視聴し繋がりを維持していました。コンサートは終わりましたが、第九を通じて多くの方が太田市と関わりを持ち、交流を深めることができました。
コンサートの様子をエフエム太郎(76.7MHz)で放送
当日の第4楽章の合唱部分と参加者インタビューを地元コミュニティ放送「エフエム太郎」で放送します。インターネットからも視聴できますので、全国の皆さまへその様子をお届けします。
放送日時 令和7年3月20日、午後2時~(約30分)
再放送日時 令和7年3月20日、午後7時~(約30分)
視聴方法はエフエム太郎のホームページをご覧ください。
※アーカイブでの視聴はできません。