榛名湖(高崎市榛名湖町)の湖面を彩る「榛名湖イルミネーションフェスタ」の準備が始まり、榛名湖町の有志らが胸まであるゴム長を履いて水に入り、イルミネーションタワーなどの設置を進めている。
榛名湖のオンシーズンは春から夏と、ワカサギの穴釣りが解禁となる1月末ごろで、同フェスタを始めるまでは12月になると湖畔のほとんどの店舗は休業していた。
「湖ありきだけでは観光は成り立たない」と2006年、榛名観光協会の有志らが榛名湖のイルミネーションフェスタの開催を決めた。初開催時のLED数は5万個だったが、翌年から20万個、30万個と増やし、今年は35万個を飾り付ける。集客数はLEDの個数と比例して増え続け、昨年は15万人、今年は20万人を見込む。
同観光協会榛名湖支部長の小林さんは「水の中の作業の方がむしろ温かく感じる」という寒さの中、有志らが自分で飾り付けを始めたのは、「初回、LEDの購入で予算が底を突いた」と振り返る。
真冬の水中作業という荒行は「何とか榛名湖町に経済効果をもたらしたい」との考えからだが、榛名湖町より先に「伊香保温泉」や「榛名湖ロープウェー」「JR東日本高崎支社」などに大きな経済効果をもたらした。
昨年は山形県や広島県、四国などから約8千人が宿泊付きのツアーを利用した。今年、JR東日本高崎支社は大宮~高崎間の「快速 榛名イルミネーション号」往復乗車券(全席指定)、高崎~榛名湖間の専用往復バス、榛名湖ロープウェー往復、榛名湖畔での夕食をセットにした商品を発売した。
小林さんは「フェスタ期間中、地元の民宿はフェスタ運営のために宿泊客を取ることができないなどの事情があり、まだまだ地元は収益につながっていないが、10年計画で頑張る」と力を込める。
日一日、飾り付けの進む同フェスタの開催は12月10日~27日。